MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

MLB2018-2019 フリーエージェント市場動向 《救援投手編》

 

昨日もお伝えしたが、今オフもフリーエージェント(FA)市場は凍り付いている。FA契約は、オフの最初の50日間で5.2%しかメジャー契約が決まっていないという。

 

 

MLB移籍情報

 

 

昨年オフもFA市場が冷え込んだ。ジェイク・アリエッタ、J.D.マルティネス、エリック・ホズマー、ダルビッシュ有ら大物選手たちも決まらず、スプリングトレーニング直前に決まった選手も多かった。

 

しかし、それでも最初の50日間でFA契約は5.5%で、今オフよりはマシだったということになる。

 

約80名ほどいるリリーバーたちだが、このポジションも動きが鈍い。オープナーや「ブルペンデー」などトレンドともいえるリリーバーの起用法が注目され、その分、需要はあるはずだが、なかなか決まらず、買いたたかれる可能性がある。

 

《移籍先が決まったFA救援投手》

( )内は前所属チーム

ジェウリス・ファミリア(アスレチックス)→メッツ

アンドリュー・ミラー(インディアンス)→カージナルス

ジョー・ケリー(レッドソックス)→ ドジャース

ホアキム・ソリア(ブルワーズ)→アスレチックス

ジェシーチャベスカブス)→レンジャーズ

ザック・ロスカップドジャース)→マリナーズ

 

以上がメジャー契約。ほかにマイナー契約が数人

 

 

《残っている主なFA救援投手》

クレイグ・キンブレル(レッドソックス

デービッド・ロバートソン(ヤンキース

ザック・ブリットン(ヤンキース

コディ・アレン(インディアンス)

セルジオ・ロモ(レイズ)

バド・ノリス(カージナルス

オリバー・ペレス(インディアンス)

ジェイク・ディークマン(ダイヤモンドバックス

トニー・シップ(アストロズ

ブラッド・ブラック(ブレーブス

ザック・デューク(マリナーズ

ジャスティン・ウィルソンカブス

タイラー・クリッパード(ブルージェイズ

ケルビン・ヘレーラ(ナショナルズ

グレッグ・ホランドナショナルズ

ショーン・ケリー(アスレチックス)

トニー・バーネット(レンジャーズ)

アーロン・ループ(フィリーズ

ジョニー・ベンタース(ブレーブス

アダム・ウォーレンマリナーズ

ジョン・アックスフォード(ドジャース

ジェリー・ブレビンス(メッツ)

サンティアゴ・カシーヤ(ロッキーズ

ライアン・マドソン(ドジャース

ザック・マカリスター(ドジャース

ブレイク・ウッド(エンゼルス

ダニエル・ハドソン(ドジャース

ホルヘ・デラローサ(カブス

ジェンマー・ゴメス(ホワイトソックス

AJラモス(メッツ)

ジム・ジョンソン(エンゼルス

マット・ベライル(ツインズ)

ランドール・デルガード(ダイヤモンドバックス

ブラッド・ジーグラーダイヤモンドバックス

ヘクター・サンティアゴホワイトソックス

ピーター・モイラン(ブレーブス

アダム・オッタビーノ(ロッキーズ

田澤純一エンゼルス

マーク・マランソン(ジャイアンツ)※オプトアウト可

 

 

トレードルーマーズ

 

 

残っているリリーバーで、パワーランキングを付けるとすれば、レッドソックスの守護神クレイグ・キンブレルが最も高い評価だろう。

 

来季31歳になるキンブレルは、最多セーブ投手に4回輝いており、2011年から8年連続でシーズン30セーブ以上を記録。5月5日には、史上最年少(29歳11か月)で通算300セーブを達成した。

 

ただ、一時のスピードは無くなったという気もするし、制球力も与四球率(BB/9)4.48と悪化。防御率は2.74だがFIP3.13でキャリアワーストだった。8年連続で57試合以上に登板。そろそろ疲労が出てきてもおかしくない時期だ。

 

A.チャップマンが5年8600万ドル、K.ジャンセンが5年8000万ドルで、30歳前後で年平均1600万~1700万ドルの年俸を手にしており、キンブレルも同程度の年俸を希望しているとみられる。

 

レッドソックスがキンブレルと再契約しないという噂だったが、今のところその通りになっている。

 

ニューヨーク・ポストのジョエル・シャーマン氏によるとレッドソックスがザック・ブリットンの獲得に積極的に動く可能性があるという。

 

ブリットンは、昨年、今年と故障に泣いたこともあり、オリオールズが7月に放出、ヤンキースでは勝ちゲームの7回と8回で起用されていた。

 

ブリットンの代理人であるスコット・ボラス氏は「クローザー」として売り込んでいるらしい。ヤンキースのクローザーはチャップマンで3年4500万ドルが残っているので、レッドソックスがブリットンを獲得する可能性はある。

 

ヤンキースは、セットアッパーのデービッド・ロバートソンもFA。ヤンキースがロバートソンと再契約すれば、ベタンセスと2人のセットアッパーを有することになり、さすがにヤンキースと言えども1200万ドル以上の高額になりそうなブリットンとの再契約は、可能性が低くなる。

 

ブリットンは、シーズン中のトレードだったためにクオリファイング・オファーの対象外で、レッドソックスが契約してもドラフト指名権を失うことはない。オフに受けたアキレス腱手術の影響でシーズン初登板は6月と出遅れたが、ヤンキース移籍後は数字が回復している。

 

しかもブリットンの331試合の登板は全てア・リーグ東地区で、この地区は打者有利のスタジアムが多く、そこでの投球術を彼は会得している。

 

具体的には、ゴロに打たせて取る比率(GO/AO)が、2014年から2017年にかけて5.95、7.31、7.86、6.70と高い数値をキープしている。ヤンキース移籍後の25試合でも5.00と高い。奪三振率が、2015年の10.83からは低下しているのが、懸念材料だが、それでも2018年は7.47を記録している。

 

そうした理由からジョエル・シャーマン氏は、ヤンキースがブリットンと再契約する可能性は低く、レッドソックスがキンブレルと再契約しない場合は、ザック・ブリットンにクローザーを任す可能性があるとみている。