MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

上原浩治が引退 「世界を制した雑草魂」あのハイファイブを忘れない

「世界を制した雑草魂」あのハイファイブを忘れない

 

上原浩治が引退を決意したという。あのボストン・レッドソックスでの2013年は興奮の連続だった。ここでは、上原のこれまでのメジャーリーガーとしての功績を称えて2014年8月9日の記事をリライトして再ポストします。

 

 

 

 

 

 

メジャーリーガー・上原浩治


「世界を制した雑草魂」

 

 

上原が直面した壁とはどんなものだったのか!

 

上原ハイファイブ 

 

2011年屈辱のポストシーズン

中継ぎとして、まさかの3試合連続で浴びたホームラン。

 

忘れもしない3冠王カブレラとの対戦。 野球人生で初めて「逃げた瞬間」。試合後、彼はロッカーで人目をはばからず泣いたという。

 

それでも這い上がってきた上原。

 

けっしてエリートではない上原の野球人生。そこに彼が、野球ファンに愛され、人々を惹きつける魅力がある。

 

 


 

 

怯(おび)えたら、打たれる

 

上原が登場するのは、試合の終盤。接戦で勝っている試合が多く、勝利の幕引きをする重要なポジション。

 

彼が打たれれば、それは負け試合を意味する。

 

相手は、パワーとスピードに勝るメジャーリーガーたち。

 

そんな壮絶なプレッシャーがかかるマウンドの上で、彼が大事にしている流儀が、「怯えたら、打たれる」ということだ。

 

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「恐怖心でどうしようって考えた時点で負けなんで。自分より、すごい給料もらってるバッターが立ちました。何でこんなやつに打たれなあかんねんと思いながら投げてるし。負けると思ってやってるやつはいないと思うよ。それが勝負の世界でしょ。」(上原浩治

 

不安な気持ちでマウンドに上がれば、それがわずかなコントロールミスにつながり、痛打を浴びたり、よけいなフォアボールを出してしまう。

 

さらにピンチを招くと、精神的に負のスパイラルに入ってしまう。だからこそ上原は、絶対に怯えない。自分のボールを信じて真っ向勝負を挑むと決めている。

 

 

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徹底した“準備”が、 自分への自信につながる

 

 

日々、大きなプレッシャーにさらされるクローザーの仕事。

 

その重圧と闘う上で、上原が大切にしていることがある。それは試合中のことではなく、試合の前後に行う徹底した“準備”だ。

 

試合の日の朝、彼は必ず一番乗りで球場入りする。そして試合のあとも、必ず一番最後に球場をあとにする。

 

ナイトゲームの日は、試合の7時間も前に球場に入る。選手の中ではいつも一番乗りという。

 

球場で過ごす時間を増やすことで、誰よりも時間をかけてマッサージを受け、疲れを最小限に抑える。

 

さらにその上で、トレーニングなどの調整も誰よりも細やかに行う。

 

常に準備を徹底することで、自分の中で不安要素となりうるものを1つ1つ消していく。

 

そして毎日、それを怠らずに続けることで、「自分は誰よりも準備してきた」という自負が持てるようになっていくという。

 

「1日でも今日はいいやと思って準備を怠れば間違いなく打たれる。自分を信じられるようになるために、努力するわけ。練習するわけ。」(上原浩治

 

強気なピッチングだが、その強い気持ちを作り出しているのは、誰よりもコツコツと積み上げてきた地道な“準備”だ。

 

日々の楽しみは、試合後に飲む缶ビール1日2本まで 深酒はしないと決めているという。 

 

彼の生きざまを見ると「成功への条件が見えてくる」。スポーツに生きる人でなくても、教訓になることが多い内容の番組だった。