「世界を制した雑草魂」あのハイファイブを忘れない
上原浩治が引退を決意したという。あのボストン・レッドソックスでの2013年は興奮の連続だった。ここでは、上原のこれまでのメジャーリーガーとしての功績を称えて2014年8月9日の記事をリライトして再ポストします。
皆さん、お疲れ様です!
今朝の新聞の通り、今日で引退となり
ます。長い間、応援ありがとうございました。
まだ心の中、頭の中がごちゃごちゃしてますので、とりあえずはご報告まで…
— KOJI UEHARA (@TeamUehara) 2019年5月20日
プロ野球・巨人の球界最年長ピッチャーで、日米通算で初めて100勝100セーブ100ホールドを達成した上原浩治投手が、現役を引退することが分かりました。上原投手は20日にも会見を開いて、引退を決めた理由などを説明することにしています。 https://t.co/vwlHkZ0Vyo
— NHKスポーツ (@nhk_sports) 2019年5月19日
Koji Uehara makes it official, he’s retiring from the great game of Baseball. Wish him nothing but the best to the Red Sox Ninja! #KojiTime 🔥 pic.twitter.com/rac6QwbiKf
— Boston Strong (@BostonStrong_34) 2019年5月20日
上原が直面した壁とはどんなものだったのか!
2011年屈辱のポストシーズン。
中継ぎとして、まさかの3試合連続で浴びたホームラン。
忘れもしない3冠王カブレラとの対戦。 野球人生で初めて「逃げた瞬間」。試合後、彼はロッカーで人目をはばからず泣いたという。
それでも這い上がってきた上原。
けっしてエリートではない上原の野球人生。そこに彼が、野球ファンに愛され、人々を惹きつける魅力がある。
怯(おび)えたら、打たれる
上原が登場するのは、試合の終盤。接戦で勝っている試合が多く、勝利の幕引きをする重要なポジション。
彼が打たれれば、それは負け試合を意味する。
相手は、パワーとスピードに勝るメジャーリーガーたち。
そんな壮絶なプレッシャーがかかるマウンドの上で、彼が大事にしている流儀が、「怯えたら、打たれる」ということだ。
「恐怖心でどうしようって考えた時点で負けなんで。自分より、すごい給料もらってるバッターが立ちました。何でこんなやつに打たれなあかんねんと思いながら投げてるし。負けると思ってやってるやつはいないと思うよ。それが勝負の世界でしょ。」(上原浩治)
不安な気持ちでマウンドに上がれば、それがわずかなコントロールミスにつながり、痛打を浴びたり、よけいなフォアボールを出してしまう。
さらにピンチを招くと、精神的に負のスパイラルに入ってしまう。だからこそ上原は、絶対に怯えない。自分のボールを信じて真っ向勝負を挑むと決めている。
徹底した“準備”が、 自分への自信につながる
日々、大きなプレッシャーにさらされるクローザーの仕事。
その重圧と闘う上で、上原が大切にしていることがある。それは試合中のことではなく、試合の前後に行う徹底した“準備”だ。
試合の日の朝、彼は必ず一番乗りで球場入りする。そして試合のあとも、必ず一番最後に球場をあとにする。
ナイトゲームの日は、試合の7時間も前に球場に入る。選手の中ではいつも一番乗りという。
球場で過ごす時間を増やすことで、誰よりも時間をかけてマッサージを受け、疲れを最小限に抑える。
さらにその上で、トレーニングなどの調整も誰よりも細やかに行う。
常に準備を徹底することで、自分の中で不安要素となりうるものを1つ1つ消していく。
そして毎日、それを怠らずに続けることで、「自分は誰よりも準備してきた」という自負が持てるようになっていくという。
「1日でも今日はいいやと思って準備を怠れば間違いなく打たれる。自分を信じられるようになるために、努力するわけ。練習するわけ。」(上原浩治)
強気なピッチングだが、その強い気持ちを作り出しているのは、誰よりもコツコツと積み上げてきた地道な“準備”だ。
日々の楽しみは、試合後に飲む缶ビール1日2本まで 深酒はしないと決めているという。
彼の生きざまを見ると「成功への条件が見えてくる」。スポーツに生きる人でなくても、教訓になることが多い内容の番組だった。