17日(日本時間18日)のレッドソックス戦で39試合連続無失点のメジャー新記録を樹立したアストロズの救援右腕ライアン・プレスリーが20日(同21日)のホワイトソックス戦でも1回を無失点に抑え連続無失点を40登板に伸ばした。
メジャーキャリア7年目で30歳のセットアッパーは、この日も定位置ともいえる8回に登場。2番のモンカダから始まる上位打線相手にファーストゴロ、3番ホセ・アブレーユをライトフライ、4番ヨンダー・アロンソを得意のカーブで空振りの三振に切ってとってクローザーのロベルト・オスーナにつないだ。
これでプレスリーは昨年の8月15日(同16日)から40登板(39.0イニング)連続で無失点。自身の連続記録を更新した。
4⃣0⃣ straight scoreless appearances. #TakeItBack pic.twitter.com/bUe6kPS46g
— Houston Astros (@astros) 2019年5月21日
アストロズが「フライボール革命」と言われる打撃のトレンドに対抗する戦術として本塁打されにくい球種「カーブ」を重要視していることは、これまでもさまざまなメディアで紹介されてきた。
選手個人の能力を細かいデータを解析して効果を発揮しているアストロズは、プレスリーに関してもその「カーブ」に注目。昨年前半のツインズ時代に30%だったカーブの配給をアストロズ移籍後は35%に増やした。これが好結果につながっている。
フリーライターの宇根夏樹氏のコラムを参考にすると、もともと得意だったスピンの効いたカーブに磨きをかけ、ここ2シーズンは18年 3231回転/分(2位)、今シーズンは3283回転/分(1位)と、よりスピンレートを増やして威力を増した。
NHK-BSの「ワースポMLB」でも紹介していたが、アストロズの右腕ゲリット・コールはMLB平均で2219回転のフォーシームのスピンレートが2500回転を超え空振り率が17年の19.8%から29.7%に大幅アップした。
スピンの効いたカーブがもたらした、史上最長の「39登板無失点」(宇根夏樹) - Y!ニュース https://t.co/EJp78cDInh
— メジャーリーグ物語@ウエダスポーツ (@buffaloueda) 2019年5月21日
宇根氏によればコールも、昨シーズン、カーブの割合を前年の12.1%から19.2%に増やし、再ブレイクを果たしたという。17年に2667回転だったカーブは、昨シーズンが2842回転、今シーズンは2918回転にアップしているという。
こうしたアストロズのチームテクノロジーともいえるデータ分析能力が好結果に直結しており、この日も3対0の完封リレーで勝利。アメリカンリーグ最高勝率の6割6分7厘、32勝16敗で地区首位を独走中だ。
※回転数(rpm、Revolutions Per Minute)とは、1分間にボールが回転する回数。