WS2017
ワールドシリーズ第2戦は、両軍のクローザーが打ち込まれ11回までもつれる死闘になった。
5回2死まで剛腕ジャスティン・バーランダーの前にノーヒットに封じ込まれていたドジャース打線。
初安打は、LCS第5戦のリグレーフィールドで3本塁打を記録したエンリケ・ヘルナンデスに代わって出場した6番ジョク・ピーダーソン。2-1からの88マイルのスライダーを叩いた当りは左中間スタンドに飛び込む同点ソロになった。
さらに、6回には、故障明けで起用している2番コーリー・シーガーがバーランダーから2ランを右翼席に叩き込み逆転。
左打者2人が右腕の剛腕を攻略してマウンドから引きずり下ろした。ロバーツ監督の起用が当たったように見えた。
ドジャースは先発のリッチ・ヒルを4回1失点で下げて5回から前田健太につなぎ、前田は右打者相手にこの日も1回1/3を無失点。
相手は下位打線になり前田を投げさせて欲しかったが、左打者の6番ブライアン・マッキャンとスイッチヒッターの選手が2人続くので、ここはお約束の交代だった。
ただ、結果論で言えば守護神ケンリー・ジャンセンの8回からの起用は早すぎた。レギュラーシーズンでセーブ失敗がわずか1度しかなかった絶対的守護神にアストロズの強力打線が襲い掛かる。
マエケン再び好投!
— MLB Japan (@MLBJapan) 2017年10月26日
1回1/3 1安打無失点! #日本人選手情報 #WorldSeries
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ジャンセンは8回と9回の2イニングで29球を投じたが、その内、スライダーの2球を除いて全てがカッター(カットボール)という単調な配球で、ほとんどの球が高めに浮いているように見えた。
8回は、4番カルロス・コレアに外角高目のカッターを逆らわずにセンター前へ弾き返されて失点。NLDS第3戦から続いていたドジャースの救援投手陣による連続無失点は28イニングでストップした。
9回には先頭のマーウィン・ゴンザレスに、カウント0-2から真ん中高めの甘いコースに入ったカッターを左中間スタンドに運ばれた。
MLBで1位のチーム得点数、打率、安打数、2位の本塁打数を誇るアストロズ打線を球威だけでねじ伏せるのは、1回が限界かも知れない。
2戦目から3戦目は移動日を挟むために2イニングスを任せたのかもしれないが、カッターの球筋をじっくり見たアストロズ打線は、今日以上に手強くなるはずだ。
試合は3対3の同点で延長戦に突入。ドジャースはジャンセンに代えてジョシュ・フィールズを投入したが、アルトゥーベとコレアに史上初のWS延長戦連続ホームランを許し、アストロズが2点を勝ち越した。
アストロズの守護神ケン・ジャイルズも10回にヤシエル・プイーグにホームランを献上して2失点。その後もドジャースは11回にチャーリー・カルバーソンがホームランを放って意地を見せた。
しかし、WSからロースター入りしたドジャースの右腕ブランドン・マッカーシーから11回に1番ジョージ・スプリンガーが右中間への勝ち越し2ランを放って、これが決勝弾になり7対6でアストロズが2戦目を制した。
この試合では両軍合わせて8本の本塁打が飛び交う記録づくめの展開。これはワールドシリーズ史上最多記録。また、延長戦での5本塁打はレギュラーシーズン、ポストシーズンを含めて史上最多だった。
アストロズは2回目のワールドシリーズ進出だが、前回はホワイトソックスに4連敗。このシリーズでも初戦を落としていただけに、嬉しい球団史に残る歴史的1勝になった。
一方、ドジャースは今季のポストシーズンで本拠地初黒星になった。第3戦はドジャースがダルビッシュ有、アストロズはランス・マカラーズJr.が先発予定となっている。