MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

【WS2021】ブレーブスがアストロズを撃破して4度目のWS制覇

 

MLB2021年シーズンのワールドシリーズ’(WS)は2日(日本時間3日)、第6戦が行われ、ブレーブスが敵地でアストロズを7対0で破り4勝2敗でシリーズを制した。

 

ブレーブスは1999年以来22年ぶりのシリーズ進出だったが、その時はヤンキースに敗れているため、WS制覇は1995年以来26年ぶり4度目になる。

 

WS2021 ブレーブス WS制覇 

 

アストロズを破った堂々たる世界一

 

ブレーブス 6-2 アストロズ(@ヒューストン)

ブレーブス 2-7 アストロズ(@ヒューストン)

アストロズ 0-2 ブレーブス(@アトランタ

アストロズ 3-2 ブレーブス(@アトランタ

アストロズ 9-5 ブレーブス(@アトランタ

ブレーブス 0-7 アストロズ(@ヒューストン)

 

 

ブレーブスグレッグ・マダックスジョン・スモルツトム・グラビンらの強力先発陣で制した1995年以来、26年ぶりのワールドシリーズ制覇を果たした。

 

これまで前身のボストン・レッドストッキングズ、ボストン・ブレーブスなどを含めてワールドシリーズ優勝3回、リーグ優勝は今季を含めて18回。

 

在籍した日本人選手が少なく日本人には馴染みの薄いチームだが、1991年から2005年まで地区14連覇を達成している東部地区の強豪球団。

 

ただ、ワールドシリーズ進出が22年ぶりで、東部地区の古豪といったイメージのチームだった。

 

2001年以降でも、10度ポストシーズンに進出。それでもNLCSまでが最高成績で、地区優勝ぐらいまでのチームで、ヤンキースレッドソックスドジャースといった強豪と比べてワールドシリーズ進出がなく、そのことでも強い割には印象は薄い球団だった。

 

過去5年間でも地区4連覇で、昨年もドジャースNLCS(リーグ優勝決定シリーズ)で3勝1敗から3連敗して、ワールドシリーズ進出を逃していただけに、今季は「世界一」をシーズン当初からの目標に掲げていた。

 

今季は主力が負傷欠場で苦しい前半戦

 

しかし、今季は若手のエース格マイク・ソローカをアキレス腱の再断裂で5月に欠き、リーグを代表する1番打者ロナルド・アクーニャJr.を右膝前十字靱帯断裂で7月に失うなど、苦しい前半戦が続いた。

 

その穴を夏に補強した1番代役のエディ・ロサリオや新加入の右腕チャーリー・モートン、新クローザーの左腕ウィル・スミスらが機能して地区4連覇を成し遂げた。

 

また、同じく夏のトレードデッドライン前にに補強したホルヘ・ソレアーが短期決戦で活躍したことも大きいだろう。

 

ソレアーは右膝前十字靱帯断裂で60日間の負傷者リストに入った右翼のアクーニャJr.の交替要員として7月末のトレードでロイヤルズから加入した。

 

移籍前は94試合で打率.192、13本塁打、37打点、OPS.658と低迷していたが、2019年にはロイヤルズ球団記録となる48本塁打を記録したパンチ力を買われての補強だった。

 

移籍後は55試合に出場して打率.269、14本塁打、33打点、OPS.882と調子を上げ、逆転での4年連続地区優勝に貢献。

 

ワールドシリーズでも球団史上4人目の3本塁打を記録して期待に応えた。

 

 

若手右腕イアン・アンダーソンが好投

 

投手力もレギュラーシーズンではMLB全体で先発陣が7位の防御率ブルペンが同10位だったが、ポストシーズンではアストロズの強力打線相手に第2戦と第6戦で完封。

 

第3戦はアストロズルイス・ガルシアブレーブスイアン・アンダーソンの15年ぶりの新人投手の対決だったが、アンダーソンは5回をノーヒットで抑えて試合を作った。

 

アンダーソンのポストシーズンは、通算7先発で3勝0敗、防御率1.47とMVPクラスの素晴らしい成績を残した。

 

ブレーブスは第1戦でチャーリー・モートンが右足腓骨を骨折したことにより第3戦のアンダーソン、第4戦ディラン・リー、第5戦タッカー・デービッドソンと3戦連続で新人投手を先発で起用。これはワールドシリーズ初だったが、アンダーソンはその起用に見事に応えた。

 

ブルペンタイラー・マツェック、ルーク・ジャクソン、守護神ウィル・スミスらが踏ん張り、彼らがレギュラー・シーズンの「勝利の方程式」そのままの力を発揮してアストロズの強力打線を完封した。

 

2017年に新規オープンした新スタジアムでのオールスター・ゲーム開催はMLBが政治に介入してコロラド州デンバーに代わったが、ブレーブスワールドシリーズ制覇という最高の結果をもって本拠地ジョージア州アトランタのファンに応えた。

 

アトランタ名物のトマホーク・チョップアストロズに炸裂してアトランタが勝利、終わってみれば痛快なシリーズだった。