夏のトレード・デッドラインが過ぎてメディアによっては、この夏の「勝ち組」や「負け組」みたいな評価をしているものもあるが、シーズンが終わるまでそれは分からないだろう。いや、答えはもっと先かもしれない。
移籍後にチームにインパクトを与えるような活躍をする選手もいれば、期待外れに終わるパターンもある。有名選手との交換で移籍してきたプロスペクトたちが、数年後に花を咲かせる場合もあるからだ。
フラッグディール・トレード情報
最終日に30件近いトレード移籍が成立したMLB2022年シーズンのフラッグディール・トレード情報を気になるチームに絞って紹介していきたい。
アトランタ・ブレーブス
昨年のワールドチャンピオンであるアトランタ・ブレーブスは現地8月5日終了時点で首位のメッツと3.5ゲーム差の東部地区2位。
デッドラインの最終日にブルペンを強化。ジェシー・チャベス(救援右腕)とタッカー・デービッドソン(先発左腕)を放出してエンゼルスからライセル・イグレシアス(救援右腕)を獲得した。
イグレシアスだから、前半戦のスタッツを見ても本当に補強になっているのか疑問が残る。
しかもイグレシアスの残りの3年分4800万ドルもブレーブスが負担。その分、対価はデービッドソンぐらい(チャベスは付け足し)で控えめだったが、金銭面の負担が減ったエンゼルスの方が得をしたようなトレードだった。
ブルペンの編成は、左腕ウィル・スミスをアストロズに放出して先発右腕ジェイク・オドリッジを獲得。
オドリッジの獲得で、MLB全体12位の先発陣を強化したようだが、ウィル・スミス(防御率4.35)よりジェイク・オドリッジ(防御率3.75)の方がスタッツだけを見ると得のような気がする。
ただし、オドリッジは今季800万ドル、来季は650万ドルのプレーヤーオプション(バイアウト325万ドル)で半年だけのレンタル移籍。
先発登板が12試合だけで60イニングしか投げてないので、何もなければ疲労がたまる夏場に力を発揮するかもしれない。
打線には大きな変更はなく、控えの外野手としてタイガースからロビー・グロスマンをトレードで獲得。グロスマンは10年目の外野手でスイッチヒッター。
ほかには内外野を守れるエイーレ・アドリアンサをナショナルズからトレードで獲得。彼は2021年にもブレーブスに所属しており、呼び戻したカタチになった。
ブレーブスは昨年夏のトレードで補強したジョク・ピーダーソン、エディ・ロザリオ、ホルヘ・ソレア、アダム・デュバルの外野手4人がポストシーズンで大活躍して、ワールドシリーズ制覇などポストシーズンの原動力になった。
そのうちロザリオは在籍しているが、ソレアらの3人はチームを離れた。
昨年優勝したので、今季は昨年ほどの補強はなかったが、オドリッジらの活躍に期待したい。