MLBでもトップクラスのトレーダーとして知られるシアトル・マリナーズのジェリー・ディポトGM。
今月も早々に元ドラフト1位指名のマイク・ズニーノ捕手にギジェルモ・エレディア外野手とマイナー選手を付けてレイズとの複数トレードを成立させ、来季のセンター候補のマレックス・スミス外野手とマイナー選手を獲得している。
そのディポトGMが先発のエース格である左腕ジェームズ・パクストンをトレード要員として放出することを画策しているという。
パクストンは28試合で11勝6敗、防御率3.76(FIP3.23)、WHIP1.098、奪三振率11.7。本塁打の被打率が0.6から1.3に悪化して防御率は悪化したが、その他のスタッツは、ほぼキャリアハイの数字をマーク。
5月8日、ロジャーズ・センターで行われたトロント・ブルージェイズ戦ではカナダ出身のパクストンがカナダの球場でノーヒットノーランを達成。カナダ人がカナダの球場で同記録を達成したのは史上初というインパクトを残している。
11月6日で30歳になったパクストンだが、今季の年俸は490万ドル。この先2年コントロールでき、年俸調停で19年度は約900万ドルと試算されているが、それでもこのクラスの先発投手ならトレード先の球団には割安感がある。
そうした事からパクストンがトレード市場に出れば注目の先発投手になり、ファーム層の薄いマリナーズにあって、そのリターンは大きいという予想だ。
というのも今オフのフリーエージェント(FA)市場は、先発投手が不足気味だからだ。パトリック・コービン、ダラス・カイケル、チャーリー・モートン、ネイサン・イオバルディの4人がFA市場でのトップクラス。
これに対してトレード市場では、彼らよりビッグネームのマディソン・バムガーナー(ジャイアンツ)やコーリー・クルーバー(インディアンス)といったローテーションのトップクラスの先発投手の名前があがり、そうしたマーケットの動向の中でパクストンの市場価値は確実にアップしている。
すでにアストロズ、ヤンキース、ブレーブス、ホワイトソックスが候補としてリストアップしているという噂だが、左腕が欲しいフィリーズや同地区のアスレチックスなども欲しいはずだ。