MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

夏のトレード 球団別動向 《AL西部地区編》

 

この夏のトレードは2016年に世界一になったカブス、2019年世界一のナショナルズが「売り手」に回ったことで、ワールドシリーズ等で名前を売ったアンソニー・リゾ、クリス・ブライアント、ハビアー・バイエズ、クレイグ・キンブレルなどの選手たちが市場に放出され、西海岸の球団によるマックス・シャーザー争奪戦が伝えられるなど例年になく活況だった。

 

 

フラッグディール・トレード情報

 

 

アメリカン・リーグ 西部地区

 

第1弾は、アメリカンリーグ西部地区。アストロズが首位。2位のアスレチックスとは4.5ゲーム差。マリナーズが健闘して3位、勝率.528でワイルドカードまで3.5ゲーム差。

 

エンゼルス大谷翔平の奮闘むなしく5割ラインを行ったり来たりでプレーオフに進める可能性は数パーセントしかない状況だ。

 

 

アストロズ

 

アレックス・ブレグマンが負傷者リストに入ったが、打線はメジャーで最高のラインナップを持っており、先発ローテーションはトップ10(防御率)で堅実だが、ブルペンが15位(防御率)と、やや脆弱。

 

そのため、この部分を補強するとすれば、ケンドール・グレイブマン投手マリナーズ)が候補。グレイブマンは96~97マイルのハードシンカーが武器。今季は31試合で防御率0.89と絶好調。しかも単年125万ドルの契約でリーズナブルだ。

 

 

【獲得】

ケンドール・グレイブマン(右腕)

ラファエル・モンテロ(右腕)

イミー・ガルシア(右腕)

フィル・メイトン(右腕)

イェイナー・ディアス(捕手/マイナー)

 

【放出】

エイブラハム・トロ(三塁手

ジョー・スミス(右腕)

オースティン・プルーイット(右腕)

ブライアン・デラクルス(外野手/マイナー)

マイルズ・ストロー(外野手)

 

 

予想どおりグレイブマンをマリナーズから獲得した。さらに、マーリンズから救援右腕のイミー・ガルシアを獲得、クローザーに繋ぐセットアッパーとして機能するはずだ。

 

 

アスレチックス

 

オークランドの穴補強ポイントは遊撃手だったが。2対3のトレードでパイレーツからユーティリティのジョシュ・ハリソンとゴームス捕手を獲得。

 

 

マーリンズからスターリング・マーテイ外野手、ダイヤモンドバックスから救援左腕アンドリュー・チェイフィンするなどそつなく補強した印象だ。

 

 

【獲得】

アンドリュー・チェイフィン(左腕)

スターリング・マーテイ(外野手)

ヤン・ゴームス(捕手)

ジョシュ・ハリソン(内野手

 

【放出】

グレッグ・ダイクマン(外野手/マイナー)

ダニエル・パレンシア(右腕/マイナー)

ヘスス・ルザルド(左腕)

ドリュー・ミラス(捕手/マイナー)

セス・シューマン(右腕/マイナー)

リチャード・グアシュ(右腕/マイナー)

 

 

マリナーズ

 

米国4大プロスポーツで最長となる19年連続でポストシーズンを逃しているが、今季は、まだまだポストシーズンへの可能性があり、予想しにくい球団だった。

 

 

今季終了後にフリーエージェント(FA)になるのはケンドール・グレイブマン投手。トレードの対価が期待できそうなのはミッチ・ハニガー外野手ぐらいだったが。クレイブマンをアストロズに出した。

 

 

ただ、ハニガーも2022年までマリナーズがキープできるので、焦って手放す必要はない。彼の負傷歴と年齢(2023年には32歳)を考えれば必ずしもマリナーズが契約を延長するとは断定できないが、期待の有望株ジャレッド・ケレニックの成績(23試合で打率.096、OPS.378)を考えれば、まだまだチームの外野にはハニガーが必要かもしれない。

 

 

【獲得】

エイブラハム・トロ(三塁手

ジョー・スミス(右腕)

タイラー・アンダーソン(左腕)

ディエゴ・カスティーヨ(右腕)

 

【放出】

ケンドール・グレイブマン(右腕)

ラファエル・モンテロ(右腕)

カーター・ビンズ(捕手/マイナー)

ホアキン・テハーダ(右腕/マイナー)

JT・シャギワ(右腕)

オースティン・シェントン(三塁手/マイナー)

 

 

エンゼルス

 

エンゼルスはレンジャーズ同様。今季のポストシーズン新種は難しいと予想。マイク・トラウトが戻ってアンソニー・レンドンが復調すれば大谷、ウォルシュなどを加えて強力なラインアップになるが、開幕前から誰もが感じている通り先発投手がコマ不足。ブルペンも柱がいない。

 

来季は、プホルズの3000万ドルと2023年にはアップトンの年俸2800万ドルがなくなる。さらに今オフには12人がFAになる。21年―22年オフは忙しくなりそうだ。

 

レッズの秋山翔吾外野手は今季700万ドル、来季800万ドルと手頃だ。外野の全ポジションと1番も任せられる。若手が育つまでのつなぎ役としていいかもしれない。

 

レッズがレースから脱落した場合は、ソニー・グレイも補強好捕だったが、レッズはワイルドカードの可能が残りグレイの放出はなかった。

 

 

【獲得】

ホゼ・マーテイ(右腕/マイナー)

イバン・アームストロング(右腕/マイナー)

サム・セルマン(左腕)

ジャンソン・ジャンク(右腕/マイナー)

エルビス・ペゲーロ(右腕/マイナー)

 

【放出】

ディロン・ピータース(左腕)

トニー・ワトソン(左腕)

アンドリュー・ヒーニー(左腕)

 

 

 

レンジャーズ

 

レンジャーズは次のシーズンに向けて動き出した。2022年は新しいスタジアムで3年目になり、5年連続負け越した後のプレッシャーのかかるシーズンになりそう。

 

ベテラン右腕イアン・ケネディはトレード要員で放出されそうだが、ジョン・ダニエルズ編成本部長とクリス・ヤングGMジョーイ・ギャロカイル・ギブソンの両選手をどうするかに注目したい。ともに2022年終了後にFAになる。

 

 

【獲得】

イゼキエル・デュラン(二塁手/マイナー)

ジョシュ・スミス(遊撃手/マイナー)

トレバー・ハーバー(二塁手/マイナー)

グレン・オットー(右腕/マイナー)

スペンサー・ハワード(右腕)

ケビン・ガウディ(右腕/マイナー)

ジョシュ・ゲスナー(右腕/マイナー)

 

【放出】

ジョーイ・ギャロ(外野手)

ジョエリー・ロドリゲス(左腕)

カイル・ギブソン(右腕)

イアン・ケネディ(右腕)

ハンス・クラウス(右腕/マイナー)

 

 

結局、ギャロはヤンキースギブソンケネディははフィリーズにトレードした。