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【球団人事】エンゼルス、内部昇格でブラッド・オースマス氏が新監督

 

大谷翔平が所属するロサンゼルス・エンゼルスの新監督にブラッド・オースマス氏が就任することが発表された。

 

 

球団人事

 

 

19年間指揮を執ったマイク・ソーシア氏に代わって新監督に就任するオースマス氏は49歳。

 

現役選手時代はパドレス、アストロ、タイガース、ドジャースのキャッチャーとして18年間過ごした。99年オールスターのメンバーに選出され、01、02、06年にはゴールドグラブ賞にも選ばれている。

 

 

10年の現役引退後は、12年にイスラエル代表監督、14年から17年まで4シーズン、デトロイト・タイガースの指揮を執った。監督としての通算成績は314勝332敗。 監督就任1年目にプレイオフ進出を果たしたが、その後3年間は、タイガースをプレイオフに導いていない。

 

エンゼルスの新指揮官に関しては、大谷の起用法を巡ってその動向が注目されていた。

 

 

ワンマンオーナーの下で

エプラーGM、オースマス監督体制

 

GMのビリー・エプラー氏は、ヤンキースGMブライアン・キャッシュマン氏のもとでデータ分析で頭角を現し、田中将大の獲得時には、たびたび来日してその獲得に貢献した人物。

 

大谷翔平の獲得の際にもソーシア前監督を説得して、大谷の目の前で二刀流サポートの確約をさせたともいわれており、その事が大谷獲得の要因になったとも言われている。

 

エンゼルスのオーナー、アルトゥーロ・モレノ氏は、メキシコ系移民の子で、ヒスパニックとして初めて、アメリカのプロスポーツチームのオーナーになった人物。2003年にディズニーグループからエンゼルスを買収した。

 

 

エンゼルス

 

 

 

ワンマンオーナーの常で、選手獲得やチーム運営に対してしばしば口を挟み、それが逆にチームの弱体化を招いたという批判もある。

 

ブルージェイズから10年オフにトレードで獲得したバーノン・ウェルズ外野手。12年にはモレノ氏の強い意向でレンジャースの主砲ジョシュ・ハミルトンと5年1億2500万ドルでFA契約したが、どれも不良債権になった。

 

さらに、11年オフにも当時32歳のアルバート・プホルスと10年2億4000万ドルというメジャー史上2番目の高額契約を結んだ。

 

これら大物選手の獲得に伴って若手の放出によるファームの弱体化と球団経営の圧迫がチームの長期低迷に繋がっているとい指摘もある。

 

ふり返ってみれば、イチローマリナーズにいた頃の2000年代には、ポストシーズンの常連チームだったエンゼルスも10年以降は、14年に地区優勝したのみだ。

 

ただ、モレノ・オーナー氏を弁護するわけでもないが、13年頃までは、8年から10年の長期の大型契約は他のチームでもあった。同地区のマリナーズもロビンソン・カノ―内野手と10年に2億4000万ドルの契約を結んでいる。

 

先日も大リーグの巨額契約ランキングを紹介したが、ライバルチームの躍進を見たオーナーたちが、再建を急ぐあまり、巨額の放映権収入を背景に大金をFA市場に投じた時代だったかもしれない。

 

15年ごろからは、そのトレンドも変わり、メジャーもコスパを考えたプロスペクトのトレード、内部育成、FA市場でもせいぜい5年程度の契約へと移行してきている。

 

昨年オフにエンゼルスGM特別補佐に就任したオースマス氏を内部昇格させたという今回の球団人事から考えても、オーナーのアルトゥーロ・モレノ氏、ビリー・エプラーGM体制のもとで、その意向に従って、ベーブ・ルース以来の「2way」として大谷を育てていく方針を継続するものと思われる。