1908年以来、108年ぶりのワールドシリーズを制したシカゴ・カブスが、クローザーとして活躍した左腕チャップマンに代わる新守護神としてロイヤルズからウェイド・デービス投手を獲得、カブスからはホルヘ・ソレア外野手を交換要員としてリリースした。
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ウェイド・デービスは7年3510万ドルの契約が2017年シーズンで終了。カブスにとってはポストシーズンにも強いデービスの獲得は、チャップマンの穴を埋める大きな補強だと言えなくないが、このトレード、懸念材料は両選手とも2016年シーズンに故障離脱があったということ。
デービスは、右腕(肘)の故障で7月27日から9月1日まで長期間にわたり戦線を離脱、ソレアは6月に左ハムストリングを痛めて約2カ月間離脱している。
この結果、デービスは45試合の登板にとどまり、2勝1敗27セーブ、防御率1.87。一方、ソレアはメジャー3年目の今季、86試合の出場で、打率.238、12本塁打、31打点だった。
カブスにはレフトにカイル・シュワーバー、ライトにジェイソン・ヘイワード、センターにはFA市場で獲得したジョン・ジェイ、さらにはプロスペクトして評価されてきたアルバート・アルモーラ・ジュニアもいるなど、外野陣は盤石。ソレアの出場機会は限定されることが確実だった。
しかも、新守護神のデービスは年俸1000万ドルと今オフのチャップマン(5年8600万ドル、年平均1720万ドル)、マーク・マランソン(4年6200万ドル、年平均1550万ドル)という“トップ3”の中では割安感がある。
やや、ロイヤルズに不満の残るトレードだが、別の側面から見るとスモールマーケットゆえ年俸総額を抑えたいロイヤルズとワールドシリーズ制覇による年俸高騰を抑えたいカブスの両者の思惑が一致したトレードと言える。