ポスティングシステムでメジャー移籍を狙う前田健太と松田宣浩の動向が気になるところだが、テキサス・レンジャーズからFAになっていた元広島のコルビー・ルイス投手が18日、年俸600万ドル(約7億2600万円)で再契約に合意した。
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ルイスは、レンジャーズで33試合に先発。ダルビッシュ有などが抜けて苦しかったローテーションを支えた。その辺りの事はすでに紹介したが、ルイスらのスタータークラスのFA投手たちが残っているのだから、考えてみれば今オフのFA市場は動きが遅い。
この数年で、最も先発投手と外野手で人材が豊富だったことも理由の一つだが、投手陣が決まらないことには、松田らのポジションプレイヤーの交渉は後手になる。
元中日の左腕チェン・ウェインやスコット・カズミアらがまだ残っている状況で、そこに予算を使ってロースター編成していきたいチームが、投手陣の契約状況を見ながらポジションプレイヤーにオファーすることになるので松田らの交渉が長引いているのもわかる。昨年の鳥谷のように結局、国内残留という選択肢も当然ある。
マイク・リーク(SP/32歳)
チェン・ウェイン(SP/30歳)
ヨバニ・ガヤルド(SP/29歳)
ダグ・フィスター(SP/32歳)
スコット・カズミアー(SP/32歳)
イアン・ケネディ(SP/31歳)
ティム・リンスカム(SP/32歳)
カイル・ローシュ(SP/37歳)
これだけの有力投手が市場に残っている。
メジャーでは、ここ10シーズンの優勝チームの年俸総額ランクは平均で8位。逆に考えればFAで大金をはたいた年棒トップクラスのチームでも優勝できていないことになる。
2015年は年俸総額の上位11チーム中8チームがポストシーズンに進出することができず、17番目と20番目のロイヤルズとメッツがワールドシリーズを争ったというデータもあり、そのことからも分かるようにサラリーに見合うだけの費用対効果がない状況が続いている。
そんなデータを見てもメジャーの各球団がドラフト重視、若手育成によるプロスペクトのストック、トレードによるロースター編成などに移行している。そんな事もFA市場の動きに連動し、前田や松田の契約にも影響を与えている。