サンクスギビングデー(感謝祭)のブラックフライデーからサイバーマンデーにかけてヒートアップしたMLBのストーブリーグ。その熾烈なかけ引きはテネシー州ナッシュビルで開催されたウインターミーティング2015で最高潮に達した。
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ここでは、そのウインターミーティングの勝ち組はどこだったのか、MLB.comのコラムニスト、リチャード・ジャスティスのコラム「8 biggest winners of Winter Meetings」などを参考にしながら考えてみたい。
Dバックスは、ドジャースとジャイアンツというウエストコーストの2強を出し抜いてザック・グリンキー争奪戦を制した。グリンキーには、6年契約で総額2億600万ドル、年平均3433万ドルはFA史上最高額という契約をした。
その後も補強の手を緩めず、20球団がリストアップしていたという25歳の右腕シェルビー・ミラーをブレーブスからトレードで獲得。先発ローテーションに厚みが増した。
こうしたトレードの交換要員として2015年MLBのドラフト全体1位のプロスペクトを放出するという代償はあるが、この一連の補強でナ・リーグ西地区のタイトルを狙える状態になった。
2.シカゴ・カブス
カブスは二つの素晴らしい契約をした。一つ目は、今オフ注目のユーティリティプレイヤー、ベン・ゾブリスト内野手との契約。二つ目は、ヤンキースとのトレードで28歳の右腕アダム・ウォーレンを獲得したこと。
もう一つ付け加えたいのは、カージナルスからFAの165勝右腕ジョン・ラッキーを獲得できたこと。これで、サイ・ヤング賞のジェーク・アリエッタ、左腕ジョン・レスターに次ぐ3番手の補強に成功したといえる。
新GMアル・アビラは弱体化した投手陣を立て直しつつある。先発ローテーションにはジョーダン・ジマーマン。抑えにはフランシスコ・ロドリゲス。ロドリゲスはシーズン最多セーブ記録(2008年の62)をマークしたMLBを代表するクローザー。
加えて今季MLB27位だったブルペンも12年目のベテラン右腕マーク・ロー(2チームで57試合、ERA1.96)と左腕ジャスティン・ウイルソン(ヤンキース74試合、ERA3.10)を補強、彼らは今季ポストシーズンでも登板している実績あるリリーバーだ。
ブレーブスはチーム再建期だが、2015年ドラフト1巡(全体でも1位)のプロスペクト遊撃手ダンズビー・スワンソンとエンダー・インシアーテ外野手をDバックスとのトレードで獲得。
インシアーテ外野手は、メジャー2年目の25歳と若く年俸調停まで2年、FAまで5年もある。外野はどのポジションでも守ることができ、2015年は、132試合で打率.303、本塁打6、打点45、出塁率.338、盗塁21という好成績を残している。再建期のチームにはフィットしているかもしれない。
その他、ヒューストン・アストロズ、ニューヨーク・メッツ、青木宣親をFAで獲得したシアトル・マリナーズ。
ドンブロウスキー体制で剛腕左腕デビット・プライスや上原の後を投げるクローザーのクレイグ・キンブレルを獲得したレッドソックスも積極的な補強が目立ったチームだ。