アトランタ・ブレーブス
ナ・リーグ東部地区で再建途上にありながらもプロスペクトの台頭とベテランの融合で地区2連覇中のブレーブス。2017年にアトランタ郊外に新球場が完成したこともあり、今、最もノリのいいチームだ。
今季は、同地区ライバルのナショナルズに4ゲーム差を付けて地区を制したが、2位ナショナルズがワイルドカードから駆け上がってワールドシリーズを制覇。95年以来、25年間、ワールドシリーズから遠ざかているだけにライバルに追い越されて来季にかける意気込みが伝わるような補強をしている。
アレックス・アンソポロスGMは、ブルージェイズのGM時代から数々の大型トレードを仕掛けてきた人物。ブレーブスのGM就任後もマット・ケンプを放出し、エイドリアン・ゴンザレス、ブランドン・マッカーシー、スコット・カズミアーらを獲得した大型トレードを成立させている。
ブレーブスのここまでの補強
【先発】
コール・ハメルズ投手 1年1800万ドル
【ブルペン】
クリス・マーティン 2年1400万ドル
ダレン・オデイ 再契約 1年225万ドル
ウィル・スミス 3年4000万ドル
【捕手】
タイラー・フラワーズ捕手 再契約 1年600万ドル
トラビス・ダーノー捕手 再契約 2年1600万ドル
【野手】
ニック・マーケイキス 再契約 1年600万ドル
今オフのブレーブスはブライアン・マッキャン捕手が引退し、フランシスコ・セルベーリとタイラー・フラワーズの両方がフリーエージェントになった捕手が補強ニーズだったが、このうちフラワーズとは契約オプションを破棄したうえで、400万ドルの1年契約(バイアウト200万ドルを加えると600万ドル)で再契約を結んだ。
チーム内には14年ドラフト全体6位指名のアレックス・ジャクソン(23歳)、チーム内プロスペクトランキング5位のシェー・ラングリアーズ捕手(22歳)と同8位のウィリアム・コントレラス捕手(21歳)がいるが、彼らが成長するまでにはベテランの力が必要で、トラビス・ダーノウと2年1600万ドルで獲得した。
ブレーブスはニック・マーケイキス外野手ともフラワーズと同様に契約オプションを破棄(バイアウト200万ドル)したうえで、400万ドルの1年契約を結んでいる。
マイク・ソロカを軸とした若い先発ローテーションには、メジャー163勝のベテラン左腕コール・ハメルズを追加。それでもライバルのナショナルズと比べて見劣りする。それを補うようにブルペンにはウィル・スミスやNPBでも活躍したクリス・マーティンらの実績ある選手をFAで獲得している。
今後の補強ポイントは、37本塁打のジョシュ・ドナルドソンとの再契約だったが、それには失敗。彼にはクオリファイング・オファー(QO)を提示。彼もQOを破棄したうえで新たに契約を更新する可能性が考えられるたが、条件面で折り合わなかった。
そこで、ブレーブスは、マーセル・オズーナ外野手と1年1800万ドルで契約した。単年契約では今オフの外野手の最高年俸の契約になったが、オズーナがドナルドソンに代わって4番に入る可能性が高い。
この補強で実績から考えると外野手の編成は、レフトがオズーナ、センターがロナルド・アクーニャJr.、ベテラン36歳のマーケイキス(打率.285/9本塁打/OPS.776)がライトに入ることが考えられるが、MLB公式サイトのデプスチャートではエンダー・インシアーテ(打率.246/5本塁打/OPS.740)がセンター、アクーニャJr.がライトに入る編成になっている。
ただ、相手投手が左腕の場合は、左腕に強いアダム・デュバルがライトに入り、アクーニャJr.がセンターにまわり、インシアーテとマーケイキスがベンチに下がることが考えられる。