MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

MLB2020 ブレーブス戦力分析① 実績あるブルペンが強み

 

ナ・リーグ東部地区で再建途上にありながらもプロスペクトの台頭とベテランの融合で地区2連覇中のブレーブス。17年にアトランタ郊外に新球場が完成したこともあり、今、最もノリのいいチームだ。

 

 

MLB戦力分析 ブレーブス

 

昨季のBaseball Prospectus(BP)の「PECOTA」システムによる順位予想では、昨年はナショナルズから4位予想のブレーブスまで4ゲーム差という混戦予想だった。結果はブレーブスが優勝、2位ナッツ、3位メッツ、4位フィリーズだった。

 

 

今季は3チームによる覇権争いを予想しているが、着実な補強が目立ったブレーブスとジラルディ新監督のフィリーズも優勝争いに絡んできそう。個人的予想では、ブルペン陣に厚みのあるブレーブスが3連覇を果たすと予想している。

 

「PECOTA」による20年の順位予想

 

下記がBPの「PECOTA」による20年の順位予想。

 

【東部地区】

1位 メッツ(88勝74敗)

2位 ナショナルズ(87勝75敗)

3位 ブレーブス(83勝79敗)

4位 フィリーズ(77勝85敗)

5位 マーリンズ(71勝91敗)

 

 

19年は、同地区ライバルのナショナルズに4ゲーム差を付けて地区を制したが、2位ナショナルズワイルドカードから駆け上がってワールドシリーズを制覇。95年以来、25年間、ワールドシリーズから遠ざかているだけにライバルに追い越されて今季にかける意気込みが伝わるような補強をしている。

 

 

ブレーブスのアレックス・アンソポロスGMは、ブルージェイズGM時代から数々の大型トレードを仕掛けてきた人物。ブレーブスGM就任後もマット・ケンプを放出し、エイドリアン・ゴンザレス、ブランドン・マッカーシー、スコット・カズミアーらを獲得した大型トレードを成立させている。

 

 

ブレーブスのここまでの補強

 

【先発】

 

コール・ハメルズ投手 1年1800万ドル

フェリックス・ヘルナンデス(マイナー契約

 

ブルペン

 

クリス・マーティン 2年1400万ドル

ダレン・オデイ 再契約 1年225万ドル

ウィル・スミス 3年4000万ドル

 

【捕手】

 

タイラー・フラワーズ捕手 再契約 1年600万ドル

トラビス・ダーノー捕手 再契約 2年1600万ドル

 

【野手】

 

ニック・マーケイキス 再契約 1年600万ドル

マーセル・オズーナ外野手 1年1800万ドル

 

 

今オフのブレーブスはブライアン・マッキャン捕手が引退し、フランシスコ・セルベーリとタイラー・フラワーズの両方がフリーエージェントになった捕手が補強ニーズだったが、このうちフラワーズとは契約オプションを破棄したうえで、400万ドルの1年契約(バイアウト200万ドルを加えると600万ドル)で再契約を結んだ。

 

 

チーム内には14年ドラフト全体6位指名のアレックス・ジャクソン(23歳)、チーム内プロスペクトランキング5位のシェー・ラングリアーズ捕手(22歳)と同8位のウィリアム・コントレラス捕手(21歳)がいるが、彼らが成長するまでにはベテランの力が必要で、トラビス・ダーノウと2年1600万ドルで獲得した。

 

 

ブレーブスはニック・マーケイキス外野手ともフラワーズと同様に契約オプションを破棄(バイアウト200万ドル)したうえで、400万ドルの1年契約を結んでいる。

 

 

ブレーブス

 

 

ブレーブス戦力分析 投手力

 

【先発ローテーション】

 

1 マイク・ソロカ

2 マイク・フォルティネビッチ

3 マックス・フリード

4 ショーン・ニューカム

5 カイル・ライト

※コール・ハメルズは左肩の炎症により出遅れ

※フェリックス・ヘルナンデス

 

【主力ブルペン

 

CL マーク・マランソン

SU ウィル・スミス

SU シェーン・グリーン

RP ルーク・ジャクソン

RP クリス・マーティン

 

 

マイク・ソロカを軸とした若い先発ローテーションには、メジャー163勝のベテラン左腕コール・ハメルズを追加。安定感が増した。それでもライバルのナショナルズと比べて見劣りする。MLBプロスペクトランキングで100位以内のイアン・アンダーソンやカイル・ライト、ブルース・ウィルソンらがAAAクラスまで昇格。彼らがシーズン中に先発ローテーションに昇格することも考えられる。

 

 

若手以外にも現地1月22日に通算169勝のフェリックス・ヘルナンデスとマイナー契約を結んでいる。

 

 

先発陣はBクラスだが、それを補うようにブルペンにはウィル・スミスやNPBでも活躍したクリス・マーティンらの実績ある選手をFAで獲得した。

 

 

マーク・マランソンがクローザーだが、35歳になることもありフォーシームの平均球速が92.2マイルと低下。調子を崩せばセットアッパー役のウィル・スミスやシェーン・グリーンらと交代することも考えられる。実績のあるブルペンが強みだが、ルーク・ジャクソン以外は30代で、長いシーズンで疲労による故障が懸念材料だ。

 

 

次回は、打撃陣のラインナップなどを紹介したい。