ディビジョン別にどのチームがどの選手を補強したのか?各チームが、このオフの19年1月末までにトレード、フリーエージェント(FA)、ウェーバー、ルール5(R5)ドラフト等で獲得した選手たちを紹介したい。
ディビジョン別の新戦力補強状況
《AL-CENTRAL》
その第1弾は、菊池雄星がポスティングで移籍したマリナーズや大谷翔平のエンゼルスが所属するアメリカンリーグ西部地区(AL-WEST)だったが、第2弾はアメリカンリーグ中部地区。
ちなみに、下の一覧は1月末の状況で、太字は40人枠の選手。それ以外はマイナー契約の選手ということをご了承願いたい。
アメリカンリーグ中部地区はテリー・フランコーナ監督のインディアンスが16年に9年ぶりに地区を制し、それ以降3連覇中。16年の開幕ダッシュや17年夏の21連勝(リーグ新記録)の時に比べれば18年は勢いはなくなったが、それでも終わってみれば2位に13ゲームをつけて地区を制した。
■インディアンス
A.J.コール(投手:ウェーバー)
ブランドン・バーンズ(外野手:FA)
ジェイク・バウアーズ(一塁手:トレード)
マイク・フリーマン(遊撃手:FA)
ジャスティン・グリム(右腕:FA)
胡智為(右腕:トレード)
ダニエル・ジョンソン(外野手:トレード)
ウォーカー・ロケット(右腕:トレード)
ジョーダン・ループロウ(外野手:トレード)
マックス・モロフ(遊撃手:トレード)
オリバー・ペレス(左腕:FA)
ケビン・プラウェッキー(捕手:トレード)
ブルックス・パウンダース(右腕:FA)
ジェフリー・ロドリゲス(右腕:トレード)
トレイス・トンプソン(外野手:FA)
打撃力はチーム打率がMLB2位、OPS4位、得点3位、本塁打6位、盗塁1位。
機動力もあり、攻守のバランスの取れたチームだが、12人がFAで救援投手のアンドリュー・ミラーやコディー・アレンがチームを去った。ベテラン37歳左腕のオリバー・ペレスとはFA再契約。
FAになって未契約のアダム・ロサレス遊撃手、メルキー・カブレラ外野手らが4人いる。外野陣が物足りない。控えの選手層も薄い。ブラッドリー・ジマー外野手も肩の手術で開幕は無理かもしれない。
■ツインズ
C.J.クロン(一塁手:ウエーバー)
ネルソン・クルーズ(指名打者:FA)
ブレイク・パーカー(右腕:FA)
マーティン・ペレス(左腕:FA)
マイケル・リード(外野手:ウエーバー)
ジョナサン・スコープ(二塁手:FA)
再建途上のチームだが、昨年は負け越したものの中盤まで健闘し地区2位に浮上した。
戦力的には、ジョー・マウアー捕手(兼一塁手)が引退。FAは引退も含めて7人と少なめ。補強は限られた予算で効果的にした印象。ロナルド・トレイエスはマイナー契約だが、ヤンキースで内野のユーティリティで活躍したので、お買い得なイメージがある。
クローザーがいない。エンゼルスFAのブレイク・パーカーとトレバー・メイがクローザーを争うと思われるが、パーカーが昨年14セーブ、メイが3セーブと実績がない。
■タイガース
マット・ムーア(左腕:FA)
タイソン・ロス(右腕:FA)
ジョーディ・マーサー(遊撃手:FA)
ルイス・コールマン(右腕:FA)
ケイレブ・カワート(内野手兼外野手:ウエーバー)
ブランドン・ディクソン(二塁手:ウエーバー)
ホゼ・フェルナンデス(左腕:ウエーバー)
ピート・コズマ(遊撃手:FA)
エドゥアルド・パレイデス(右腕:FA)
ボビー・ウィルソン(捕手:FA)
リード・ギャレット(右腕:R5)
先発投手を二枚追加したが、ブルペンは、クローザーのシェーン・グリーンが32セーブを挙げたが、防御率5.12、WHIP1.374で不安。昨年68試合に登板し、3年目になる24歳ジョー・ヒメネスあたりが伸びれば面白いが、総合的にはデトロイトに春が来るのか、疑問符が付く補強だろう。
■ホワイトソックス
ヨンダー・アロンゾ(一塁手:トレード)
ジョン・ジェイ(外野手:FA)
ジェームス・マッキャン(捕手:FA)
イバン・ノバ(右腕:トレード)
マニー・バニュエロス(左腕:トレード)
アレックス・コロメイ(右腕:トレード)
ランドール・デルガド(右腕:FA)
エバン・マーシャル(右腕:FA)
ケルビン・ヘレーラ(右腕:FA)
シーズン100敗したホワイトソックスは、本気の補強を行った。クローザーにケルビン・ヘレーラを獲得。その前のセットアッパーにはアレックス・コロメイをトレードで獲得。ただ、先発陣の顔触れを見るとBクラスだ。
■ロイヤルズ
テランス・ゴア(外野手:FA)
コナー・グリーン(右腕:ウエーバー)
ビリー・ハミルトン(外野手:FA)
クリス・オーウィングス(外野手:FA)
このほかにルール5ドラフトで2人、マイナー契約選手を3人、FAやウェーバーで獲得している。
補強ポイントの先発、ブルペン共に今のところ効果的な動きはない。スモールマーケットでスモールバジェットの球団だから内部育成でチームを作り上げていくスタイルだが、ファーム層も薄い。今季も100敗しないことを祈りたい。