MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

ザック・グリンキー投手が移籍市場で最大の注目株である5つの理由

MLB移籍情報

 

今季ストーブリーグの最大の注目株はデビット・プライスザック・グリンキー。プライスについては、何度か触れたので今回は、ロサンゼルス・ドジャースからフリーエージェント(FA)となったザック・グリンキー投手について紹介したい。

 

 

メジャーリーグ公式サイト『MLB.com』は28日、同サイトで連載している企画「5 reasons」でFA市場の注目株である32歳の右腕について「5つの理由」を紹介している。

 

 

その1つ目の理由は、グリンキーが今シーズン、ここ20年でトップクラスの成績を収めたこと。2009年に続いて2回目のサイ・ヤング賞こそ逃したが、メジャートップの防御率1.66をマークした。

 

 

これは、サイ・ヤング賞を4度受賞した“精密機械” グレグ・マダックス氏(当時ブレーブス)が防御率(ERA)1.63を記録した1995年以降では最高の数字だ。

 

 

しかし、ERAよりもっと興味深いのがリーグ平均防御率とパークファクターを考慮したスタッツERA+(Adjusted ERA)も225をマークしており、これも2005年に剛腕ロジャー・クレメンス氏がマークした226に迫る数字だ。

 

 

この指標は平均が100で、100を上回る場合は平均以上であり、100を下回る場合には平均以下。それからするとグリンキーの225は驚異の数字と言える。ちなみに、グリンキーの12年間の平均は123。

 

 

さらにWHIP 0.844も2000年にペドロ・マルティネスがマークした0.737に迫るものがある。WHIPは「1」を切れば超一流投手の証と言える。

 

 

 

2つ目は、グリンキーが6月18日から7月26日までの45回2/3を無失点に抑えたこと。これは、1961年以降で4番目に長い連続イニング無失点記録となっている。

 

 

3つ目は、シーズンを通して防御率1点台をキープした点。規定投球回をクリアした先発投手としては、ロジャー・クレメンス氏(元レッドソックスほか)、マダックス氏、ペドロ・マルティネス氏(元レッドソックスほか)に続き、1920年以降では4人目のことだという。

 

 

また、『MLB.com』は4つ目の理由として、グリンキーがここ2シーズン連続で、200奪三振以上に対して、打たれた本塁打が20本以下だったことにも触れている。

 

 

このスタッツで思い出すのが田中将大が25本も打たれたこと。リーグの違いやヤンキースタジアムというパークファクターもあるが、222イニング投げたグリンキーに対して田中は154イニングしか投げていない。

 

 

最後に、今季は32試合に先発し、クオリティ・スタート(QS)を失敗したのはわずか2試合のみ。これも2008年以降では、マリナーズのフィリックス・ヘルナンデスの190に次ぐQS178試合という驚異的な安定感だ。

 

 

ERA+やWHIPは、これまでのグリンキーの平均と比較してやや出来過ぎた数字だが、被本塁打数やQSの安定感などは凄いとしか言いようがないスタッツと言える。