MLB移籍情報
岩隈にクオリファイング・オファー提示か!?
岩隈久志は、メジャーへ移籍して初めてのFAになるが、複数年の好条件での争奪戦が必至の状況になってきた。
マリナーズがFAとなった岩隈久志にクオリファイング・オファー(QO、1580万ドル=約18億9600万円の1年契約)を提示することが濃厚になった。
現地6日の提示期限が迫る中、ディポトGMが「そうする可能性が極めて高い」と話したと5日付の地元紙シアトル・タイムズ電子版が報じた。
相思相愛の関係といわれているものの、過去にQO制度で残留した選手はおらず、QOを拒否した場合にはマリナーズ以外の他球団も争奪戦に加わることになる。
岩隈久志のシーズン別の年俸推移は以下のとおり。
2012(31歳/SEA) $1,500,000
2013(32歳/SEA) $6,500,000
2014(33歳/SEA) $6,500,000
2015(34歳/SEA) $7,000,000
4年間通算で111試合(先発97試合)で653.2イニングを投げて、47勝25敗、防御率3.17、WHIP1.08。
特に2013年には219.2回を投げて、14勝6敗、防御率2.66、WHIP 1.01という成績で、サイヤング賞の投票でも3位に入るなど、メジャーリーガーとして評価を上げた。
2014年はシーズン前の自主トレ期間に指を怪我したことにより出遅れたものの、28試合179.0回で15勝9敗、防御率3.52、WHIP 1.05と、キャリアハイの勝利数を記録した。
今季は、球団側がオプションを行使する形で年俸700万ドル(約8億6800万円)というそれまでの実績からすると格安で契約延長した。
今季に過去2年と変わらぬ成績を残していれば、年俸1500万ドル以上と単年あたり倍増する額で、2年以上の複数年契約が望めた。
ところが故障による出遅れで、あのままFAとなれば、年俸800万ドル前後での単年契約、というのが米球界関係者の見立てとなっていた。来季35歳を迎える年齢は若くなく、プラス材料には見られないという評価だった。
昨年は、シーズン前の自主トレ中の不慮の事故だったが、今季も4月21日の登板から7月7日の復帰登板まで故障によるDLで戦列を離れ、これまで故障が多かった印象もある。
ここから成績が大きく上向くことは考えにくい。ローテーション3、4番手候補というのがスカウティングレポートだったのではないか。
しかし、「ノー・ノー」以降、再評価され、復帰後の好投で岩隈株は急上昇した。その後はチーム状態が良くなかったため勝ち星こそ伸びなかったが、9月以降は6試合40.0イニングで防御率2.02と安定した投球を続けた。
このオフは、岩隈のほか、ブルージェイズのデービッド・プライス投手や、ロイヤルズのジョニー・クエト投手、レンジャーズのコール・ハメルズ投手などの大物FA先発投手が目白押し。
このことから買い手市場であり、そういう意味では評価が抑えられやすい環境だ。
しかし、そうした買い手市場でも岩隈は、米メディアによれば契約額を3年4000万ドル(約48億円)~4500万ドル(約54億円)と予想している。
12月のウィンターミーティングを含めてクリスマス前までその動向が注目される。