MLB移籍情報
MLBは稀にみる大移動で、日本人FA選手の契約に影響
例年になく活発な動きをみせたMLBのストーブリーグ。サンディエゴで開催されたウィンターミーティング期間だけでも12件、79人の移籍が決まりました。
何度かここでも紹介しましたが、前後して、カブス、ホワイトソックス、パドレスをはじめとする多くのチームが複数の主力選手を獲得する大補強を敢行しています。
FAでは、ジョン・レスター(前アスレチックス)がカブス、ハンリー・ラミレス(前ドジャース)とパブロ・サンドバル(前ジャイアンツ)がレッドソックスに移籍。
トレードでは、パドレスがマット・ケンプ、ウィル・マイヤーズ、ジャスティン・アップトンの外野手3人を獲得。
さらにパドレスは、その中のウィル・マイヤーズ(2013年の新人王)と交換にフィラデルフィア・フィリーズのエース、コール・ハメルズのトレードを画策しているとの報道もあります。
メジャー9年間で108勝、今季最下位のフィリーズでもコール・ハメルズは、204.2回で防御率2.46、奪三振198、WHIP 1.15の好成績を残しています。
打線の強化に加えて彼が加入すれば、ナ・リーグ西部地区の王者ジャイアンツ、ドジャースなどをパドレスが脅かす存在になります。新GMのA.J.プレラーが就任して以来、積極的な補強をみせています。
和田毅が所属するシカゴ・カブスは先発左腕ジョン・レスター(16勝11敗・防御率2.46)の獲得に成功。
そのカブスと同じぐらい注目されたのが、同じ街に本拠地を置くシカゴ・ホワイトソックスです。12月9日、オークランド・アスレチックスからエース格の右腕ジェフ・サマージャ(7勝13敗・防御率2.99)をトレードで獲得。
さらに翌日にはニューヨーク・ヤンキースからFAとなったクローザーのデビッド・ロバートソン(4勝5敗39セーブ・防御率3.08)と4年総額4600万ドル(約55億円)で契約しました。
わずか2日間で先発と抑えを一度に補強。ホワイトソックスには「メジャー屈指の左腕」と呼ばれるクリス・セールがいるので、左右の先発の軸が整いました。
そのほか、レッドソックスは、ラミレスとサンドバルの打線強化以外に、軸はいないものの先発の頭数は揃えました。
日本人プレイヤーは!?
この活発だったトレードが日本人FAプレイヤーの去就に大きく関わっています。
イチローは、新代理人が影響力の強いパドレスへの移籍説がありましたが、上の主軸3人の獲得で可能性は激減しました。
このオフに外野手のネルソン・クルーズ(マリナーズ)、ニック・マーカーキス(ブレーブス)がFAで退団したオリオールズが、イチロー(ヤンキースからFA)、青木宣親(ロイヤルズからFA)の獲得に興味を持っていると報じられました。
しかし、ここにきてオリオールズは、FAとなっていたデルモン・ヤング外野手と年俸225万ドル(約2億7000万円)の1年契約で合意、残留が決まったことから、残るレギュラー枠はひとつです。
3年間で3割5分3厘という高い出塁率を誇る青木の方が有利かもしれません。青木にはシンシナティ・レッズも獲得を検討しているとの報道もありました。
鳥谷は、パドレスとブルージェイズと交渉中との報道がありました。パドレスは「遊撃手」、ブルージェイズは「二塁手」でオファーを出したようです。
ブルージェイズの場合、鳥谷はマイセル・イズタリス、ライアン・ゴインズ、デボン・トラビス、スティーブ・トールソンといったチーム内の二塁手候補とポジション争いが考えられ、ここに2年間在籍の人気者、川崎宗則の再契約が加わる可能性もあります。
彼らとほぼ同等と目されているとすれば、契約条件もかなり低く抑えられ、契約は難航することが予想されます。そうなると阪神残留も可能性がないわけではありません。
野茂英雄が海を渡って約20年。今では多くの日本人プレイヤーがメジャーリーグでも活躍しています。ストーブリーグでも日本人の名前がメディアをにぎわす時代になりました。