最後は育ててくれた広島の地でユニフォームを脱ぐ!
ニューヨーク・ヤンキースからフリーエージェント(FA)となり、その去就が大きな注目を集めていた黒田博樹が、ついに8年ぶりとなる古巣・広島への復帰を決断した。
黒田は広島からFA宣言した2007年12月、メジャーリーグのロサンゼルス・ドジャースへ移籍。以降7年間で通算79勝を挙げ、メジャーでも確かな地位を築いた。今季はヤンキースで唯一、先発ローテーションを1年間守り抜いた投手でもある。
さらに、野茂英雄が達成していた5年連続規定投球回(162イニング以上)に並び、日本人投手として初めて5年連続2桁勝利(11勝)という偉業も成し遂げた。
メジャーのFA市場でも、シャーザー、シールズらと並び“最注目の先発投手”と評価されていたことを考えれば、今回の決断がいかに異例であるかがわかる。
おそらく黒田には、いつユニフォームを脱いでもいいという覚悟があったのだろう。だからこそ、自分を育ててくれた“第二の故郷”広島に戻り、心から待ってくれているファンの前で最後のマウンドに立ちたい──そんな思いが背中を押したのではないか。
もちろん、その真意を本人以外が断定することはできない。ただ、彼の選択を斜に構えて見る必要はない。スポーツには、選手の行動を素直に、清々しく評価していい瞬間がある。今回の黒田の決断は、まさにそのひとつだ。
残された大きな目標は、あと18勝に迫った通算200勝。そして、広島に“感謝”の優勝を届けること。来年2月に40歳を迎えるベテラン右腕にとって、これほど明確で、これほど重いミッションはない。
男気・黒田博樹。その覚悟の決断に、惜しみない拍手を送りたい。