レッドソックスは本拠地フェンウェイ・パークでのパドレス3連戦のGAME3を4対1で勝利。吉田正尚外野手は「6番DH」で出場し、4打数2安打でチームの連敗ストップに貢献している。
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現地6月30日(日本時間7月1日)のメジャーリーグは大谷翔平と鈴木誠也がノーヒットだったので、今回は久しぶりに吉田にスポットを当てたい。
このゲームで吉田は、2回裏の第1打席で見逃し三振に倒れたものの4回裏の第2打席と6回裏の第3打席では、先頭打者としていずれもライトへのヒットを放ち出塁。今季5度目のマルチ安打を記録した。
直接得点に絡んだわけではなかったが、4回のライト前ヒットはラインドライブのクリーンヒットだった。相手はクセのあるナックルボウラーだったのだが、カウント2-0からの3球目、ストライクを取りに来た88.7マイルの4シームを捉えた打球だった。
【 #レッドソックス 】#吉田正尚 6番スタメンでマルチヒット!!ライトへ2安打を放ち、チームは4対1で勝利しました💪#日本人選手情報 https://t.co/cI3MyXtc58 pic.twitter.com/9n34TZm1O8
— MLB Japan (@MLBJapan) July 1, 2024
8回裏の第4打席はセンターライナーで、この日は4打数2安打。吉田の今季の打撃成績は打率.246、本塁打2、打点13、出塁率.319、長打率.338、OPS.657となっている。
吉田は左手親指のケガで現地4月28日を最後に同6月11日までの約1カ月半、戦線を離脱。離脱前は打率.281、OPS.767で本塁打は2本と少なかったが、そこそこの数字は残していた。
どうしても本塁打の数に注目してしまうが、吉田の場合は、どれだけラインドライブの打球を打ち返せるかどうかに注目したい。吉田には逆方向へ打てる技術もあるので本拠地フェンウェイ・パークのグリーンモンスター直撃弾が増えれば吉田の完全復調にと言えるだろう。打撃成績も改善されるはずだ。
5年9000万ドルの大型契約でレッドソックス入りした昨季は打率.289、15本塁打と1年目としては及第点の成績を残した。
今季は厳しいスタートを切ったのは事実だが、6月28日以降の3試合では9打数3安打と復調の兆しを見せている。打撃技術は確かなだけに、これから数字を上げていくことは十分に想定できる。
地元紙「ボストン・グローブ」アレックス・スピアー記者によると、今季の前半戦を通じ、レッドソックスは期待以上の好成績を収めてきており、43勝38敗で折り返しを迎えるというのは大方の予想を上回ったという。
ということで、この成績で7月末のトレードデッドラインまでいけばレッドソックスが「売り手」に回ることはない。
レッドソックスの外野陣は、ジャレン・デュラン(打率.288、OPS.841、20盗塁)、ウィリアー・アブレイユ(6本塁打、OPS.811)、セダンス・ラファエラ(8本塁打、10盗塁)、タイラー・オニール(16本塁打、OPS.876)、ロブ・レフスナイダー(打率.322、OPS.892)と層は厚い。
吉田が昨年のように外野の一角を守ることはない。吉田がプレー時間を確保するには「指名打者」しかなさそうだ。その席をキープするには後半戦の盛り返しに期待したい。
オフにトレード話もあった吉田だが、吉田が打たない限り、マーケットが広がることはない。