MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

どうする翔平 エンゼルス泥沼の6連敗 大谷翔平の活躍だけに注目すれば楽しい

 

正念場になってそのチームの総合力が出てくるものだ。エンゼルス大谷翔平が孤軍奮闘するも一人だけの力ではどうにもならない。ここにきて6連敗、8月に入って1勝もしていない。

 

 

MLB2023 GAMEDAY  

 

 

大谷翔平はホームでのマリナーズ戦に「2番・DH」で出場。第1打席にラインドライブの痛烈な打球を弾き返してセンターへのヒット。マイク・ムスタカスのタイムリ二塁打で同点のホームを踏んだ。

 

3回の第2打席は空振り三振、5回の第3打席も空振り三振、8回の第4打席はセカンドゴロに倒れ、4打数1安打だった。

 

 

 

 

これで今季の打撃成績は打率.306、打点82、得点86、本塁打40、盗塁14、OBP.409、OPS1.081、OPS+182となった。

 

三振は23.9%、本塁打率8.1%、四球率14.3%はメジャー平均より良く、自己平均よりも上回っている。

 

TWO-WAY PLAYER(TWP)としてのカテゴリーだが、おそらくプレーヤーとしては打者のほうが長くプレーすると思われるので打撃成績がキャリアハイなのはシーズンオフの契約交渉には有利に働くだろう。

 

ジョン・ヘイマン氏のSNSを見てもらうと判るが、今日のエンゼルス打線の32%の本塁打数、47%の盗塁数を大谷が占めている。これがエンゼルスの現状だ。

 

 

 

大谷が凄いということは間違いないのだが、それよりもこれだけ一人の選手に偏っている攻撃力では脆い。プレーオフ(OF)進出確立も2%に減少した。

 

球団創設62年間で勝率.498 地区制覇は8回だけ

 

大谷翔平きっかけでエンゼルスを応援しているファンも多いが、もともと2016年以降で勝ち越したこともないチームだから、こんなものと考えたほうが良い。それぐらいの胆力がなければこのチームのファンではない。

 

エンゼルスは1961年にできた比較的新しい球団。創設19年目の1979年に初の地区優勝し、現在までリーグ優勝1回、地区優勝8回、ワイルドカード1回だけの球団だ。

 

2014年からプレーオフPOにも出られないチームだから、一人のスーパースターだけではなかなか勝ち上がれない。当たり前だが、野球は9人プラスアルファで戦うチームスポーツ。

 

 

毎年、投手力はコマ不足が指摘されている。ブルペンも改善できていなかった。今季のカルロス・エステベスはミナシアンGMが良く見つけてきた掘り出し物だ。

 

進塁打も打てない、得点は本塁打だけ。4本塁打以上の試合は勝てるが、1~3本では負ける。

 

初球をフルスイングするだけの早打ちで単調な攻撃。本塁打数は多いが、進塁打やタイムリーは珍しい。ファーストストライクなら狙いも分からなくもないが単調すぎるのが欠点だ。

 

だから延長戦でも勝てない。相手のミスで勝ってるだけ。要するに三流の万年Bクラスが染みついたチームがエンゼルスだ。

 

原因はケガ人が多く、痛いと言えばすぐに休める管理体制。痛む前に休ますことができないのは、層が薄いからだろう。コンディショニングの管理はどうなっているのか。高度な医療機関と提携するなど見直したほうが良いだろう。

 

その対処法としてUTプレーヤーをかき集めた編成だった。本職がいないので、チームエラー数もリーグで4番目に多い。それは当然だろう、守備でもダブルプレーは少ない、併殺打は多いが、ダブルプレー数は少ない。

 

その結果、エンゼルスは正念場に6連敗で56勝57敗。首位のレンジャーズとは10.5ゲーム差で地区優勝はほぼゼロ確率にちかい。ワイルドカードによるPO進出も7.0ゲーム差。

 

メジャーリーグファンならお分かりだと思うが、勝敗にこだわるなら最初からこんなチームは応援しないほうが良い。大谷翔平だけを応援しよう。

 

 

大谷の次の球団に期待

 

金額はともかく、全球団へのトレード拒否権や毎年のオプトアウト権を付けるなどの好条件で(ドジャースあたりに)移ったほうが良いだろう。

 

エンゼルスはプレッシャーも少なく大谷のTWPを認めてくれた。ステップアップには格好の球団だった。それは感謝できる。

 

ただし、移籍が当たり前のメジャーリーグで、変に愛着を持たないほうが良いかもしれない。

 

大谷にはとにかく元気な姿で2度目のリーグMVPを受賞してエンゼルス以外のチームに移ってほしい。

 

できれば今季は「50本塁打」の大台に乗せてくれたら最高だ。以前にも紹介したが100年を超える歴史でたったの30人しか到達していない。しかも薬物疑惑もないクリーンな選手となればもっと少ない。

 

細かい数字はともかく誰が考えてもわかりやすい「50本塁打」の大台には到達してほしい。