これまでも多くの主力が負傷離脱して野戦病院化している大谷翔平所属のエンゼルスだが、今度はチームの精神的支柱でもあるマイク・トラウト外野手を失うかもしれない。
これで2014年以来9年ぶりにポストシーズン進出を目指すチームにとって絶体絶命の崖っぷちに立たされたといえるだろう。
MLB2023 GAMEDAY
大きすぎるマイク・トラウトの負傷離脱
エンゼルスは7月3日(日本時間4日)、敵地サンディエゴに乗り込んでパドレスと3連戦GAME1を戦い3対10で敗れた。
その試合の終盤でマイク・トラウト外野手の打席途中、ベンチへ退くアクシデントがあった。
トラウトは、8回先頭で打席に立ち、2球目を強振してファウルした後、左手首を振って顔をゆがませた。ネビン監督やトレーナーが駆けつける中、トラウトは手袋を外して左手首を気にする仕草を見せそのままベンチに退いた。
Mike Trout exits the game after an apparent injury during his 8th inning at bat. pic.twitter.com/s0xSfpVQ3j
— FOX Sports: MLB (@MLBONFOX) July 4, 2023
エンゼルスは今季も負傷者が多い。まずは開幕から好調に結果を出していた若手プロスペクトのローガン・オホッピー捕手に始まって、毎年のように負傷者リスト(IL)入りするアンソニー・レンドン内野手。
大谷以上の打率をマークしていたジオ・ウルシェラ内野手。彼は骨盤骨折で今季絶望だ。
さらに、若手で前半戦に好守好打が光ったザック・ネト内野手はILに入ったが、復帰が近づいているという報道。
最近ではユーティリティー選手のブランドン・ドルーリー内野手などが相次いでIL入りしている。
エンゼルスは珍しく今季はここまでポストシーズン進出の可能性が残り、ペリー・ミナシアンGMもすかさず足りない戦力を穴埋めし、実績のあるエスコバー内野手やムスタカス内野手をトレード等で穴埋めした。
しかし、これは補強ではなく補修したに過ぎない。プラスの戦力ではなくマイナスを抑えた程度だ。
本来なら、強豪と対戦する修羅場の夏に向かってフラッグディール・トレードでは投手力を中心に補強したいところだ。
トラウト離脱後のエンゼルスは?
トラウトは、おそらく最低でも数週間は様子を見るだろう。7月中はまず無理だろう。最悪の場合、8月末まで欠場するかもしれない。
チームの顔としての存在感を考えた場合、大谷に次ぐ18本塁打をマークしているマイク・トラウトの離脱は予想外とも言える事態で大きな戦力ダウンになる。
トラウトは、ここまで大谷翔平とともに主砲としてチームをけん引。大谷の前後を打つ主軸として大谷に次ぐ18本塁打をマークしており、11日(同12日、シアトル)に行われる球宴にも選出されている。
ネビン監督はトラウトの状態についてメディアのインタビューに「手首に違和感を感じた。検査中だ」とだけ答えた。
そして「今は試されている。(今までも)重要な選手を失っているし、(残っている)選手が立ち上がらないといけない。今回も同じだ。トラウトの診断によっては、他の選手の出場機会が増えるかもしれない。様子を見よう」と話したという。
ジョー・アデルの爆発に期待!
こうなった以上はポジティブに考えてトラウトのいない外野陣を考えていきたいが、おそらくマイナーでも結果を出しているジョー・アデルのコールアップがあるだろう。
センターの守備にはミッキー・モニアック。レフトはテイラー・ウォードかアデル。ライトはハンター・レンフローだが、ウォード、レンフロー、アデルを調子次第で入れ替えるのもありだ。外野はルイス・レンヒーフォ、デービット・フレッチャーも経験がある。
アデルがそのポテンシャルを発揮してくれれば問題はない。いよいよアデルが真のメジャーリーガーになるチャンスが来た。
もちろん大谷翔平が中心のチームであることは間違いない彼がリーダーシップを発揮する時が来た。
今季終了後にフリーエージェントになることが決まっている大谷翔平だが、この夏のトレードはないだろう。
ただし、大谷の残留を希望している盟友トラウトの離脱で、チームが例年のように下位に沈んでしまえば、シーズン終了後に(その去就に)影響しそうな気がする。