MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

大谷翔平 26号同点ソロ HRなど打撃3部門でMLBトップ 足でも勝利に貢献

 

最後はまさかの幕切れだったが、大谷翔平所属のエンゼルスがホームにホワイトソックスを迎えての4連戦GAME1に9回サヨナラで勝利。大谷翔平は両リーグトップの同点26号アーチをライトスタンド中段に叩き込んで勝利に貢献している。

 

MLB2023  GAME DAY  

 

 

快音轟く大谷翔平の同点26号ソロ

 

 

大谷は「3番DH」で出場し、1点ビハインドで迎えた4回1死走者なしの第2打席。カウント3-1から先発右腕ディラン・シースの5球目内角スライダーを捉えた。打った瞬間にそれとわかる素晴らしい打球音だったが、右翼スタンド中段に運んだ。


打球速度113マイル(約182キロ)、飛距離446フィート(約136メートル)、打球角度36度。ESPNによると、今季8本目の440フィート(約134メートル)超えはブレーブスのアクーニャJr.と並んでメジャーで今季最多だという。

 

 

 

 

これで本塁打部門で、両リーグトップを独走する26号。この日は第1打席が見逃しの三振、第3打席が空振りの三振、9回の第4打席は貴重な四球で4打席3打数1安打(1本塁打)、1四球。


大谷の今季の打撃成績は打率.297、26本塁打、62打点、11盗塁、OPS1.009。本塁打、打点、OPSはそれぞれ両リーグトップだ。


ご存じのように大谷翔平のプレーヤーとしてのMLBでのカテゴリーはTWP(Two-Way-Player)、日本風に言えば「二刀流」選手であることをもう一度確認しておきたい。

 

デトマーズ好投!トラウタニ好走

試合展開はエンゼルス先発の23歳左腕リード・デトマーズが7イニング105球で被安打2、奪三振10、失点1の好投。デトマーズは、ここ3試合で18.2イニング投げて失点はわずかに2、防御率0.96。今季の防御率も3点台(ERA3.77)に改善してきた。

 

 

 

 

しかし、相手の髭がトレードマークの右腕ディラン・シースも6イニングを大谷に献上したソロ本塁打による1失点に抑える好投で緊迫した投手戦の展開だった。

 

そして1対1の同点で迎えた最終回。ホワイトソックスは前の回から続投のレイナルド・ロペスが先頭打者マイク・トラウトに四球を与えると、大谷対策で登板した左腕アーロン・バマーが続く大谷に四球を与え無死一、二塁のピンチを作ってしまう。


この場面でトラウト、大谷の「トラウタニ」がダブルスチールを成功させる。土壇場で脚を絡めた攻撃が功を奏した。


続くブランドン・ドルーリーはカウント1-2から空振り三振に倒れたが、ロッキーズからトレード移籍後、初スタメンの5番マイク・ムスタカスの打席でバマーの暴投を捕手が後逸し、トラウトが生還してエンゼルスがサヨナラ勝利を収めた。

 

 

GAME1の勝利は大きい

エンゼルスはオールスターブレイク前の大事な13連中。その最初の3連戦をロッキーズ相手に1勝2敗と負け越してホームに帰ってきたが、トラウタニのダブルスチールがハマって、勝利を呼び込んだ。


デトマーズの好投とチームリーダーであるトラウタニの勝利にかける執念が勝利を呼び込んだともいえる。相手の好投手シースからのGAME1勝利は大きいだろう。


この日は地区2位アストロズは試合がなく、首位レンジャーズは敗れたので、エンゼルスとレンジャーズは5.0ゲーム差。ワイルドカードでは圏内まで0.5ゲーム差。データサイトによるプレーオフ進出確立は37%。

 

 

 

 

早めの補強によるエンゼルスラインナップ

 

1 ミッキー・モニアック(RF)
2 マイク・トラウト(CF)
3 大谷翔平(DH)
4 ブランドン・ドルーリー(2B)
5 マイク・ムスタカス(1B)
6 テイラー・ウォード(RF)
7 マット・サイス(C)
8 ルイス・レンヒーフォ(3B)
9 デビット・フレッチャー(SS)

 


エンゼルスは投手、内野手で負傷者が続出しているが、マイナーから昇格させた若手を試したうえで、それでも足りない選手をミナシアンGMが早めに補強している。

 

本来は、マイク・ムスタカスはレンドーン・ウルシェラの穴を埋める3Bだろう。エドゥアルド・エスコバーはユーティリティーなので内野の各ポジションOK。すでに結果を出している。

 

この試合ではアメリカの市民権を受けるために制限リスト入りして、その枠にジョー・アデル外野手がコールアップされ楽しみだ。

 

レンヒーフォの3Bは接戦した場面で心配が残るので本来は内野の控え。1Bは右打ちのレンフローに経験を積ませた方が良いだろう。ジャレッド・ウォルッシュの体調が戻ればツープラトンでの起用も考えられる。

 

またクリス・オーキー捕手はウェーバーを通過し、3Aソルトレークでのプレーを受け入れたことも発表された。ローガン・オホッピー捕手もシーズン終盤に間に合うかもしれない。

 

内野でエスコバーやムスタカスらのベテランがどれだけ活躍するかも注目だが、この戦力でトレードデッドライン前までに5勝~10勝の貯金を作ることができれば、あとは先発投手の獲得に期待したい。

 

若手の投手、ザク・ネトらの内野手。外野のミッキー・モニアックなど、若手戦力が徐々に台頭し、2~3年後が楽しみなエンゼルスだ。