菅野のポスティング移籍はどうなるのか!?
ポスティング制度を利用してメジャーリーグ球団への移籍にチャレンジしている菅野智之の交渉期限は日本時間1月8日午前7時に迫っている。
菅野が渡米でメジャー球団との具体的な交渉へ
このブログでもお伝えしたとおり、今オフのポスティング申請期限は2020年12月12日までだったが、申請した各選手の交渉期間は有原航平の場合、日本時間26日午後10時から12月2日午前7時まで。西川遥輝の場合は、日本時間3日午後10時から2021年1月3日午前7時までと通知された。
昨年は、この制度を利用して横浜の筒香嘉智がレイズ、巨人の山口俊がブルージェイズに移籍を果たし、西武の秋山翔吾は海外FA権を利用してレッズへ移籍した。広島の菊池涼介は挑戦を試みたが広島に残留した。
残るのは最後に申請した菅野智之だけ
日本を代表するエース・菅野のメジャー移籍先と契約内容は?
それでは気になる菅野の移籍先球団を考えたい。メジャーリーグ公式サイトのジョン・ポール・モロシは、入札球団としてブルージェイズ、パドレス、ジャイアンツ、メッツ、レッドソックスが興味を示していると伝えていたが、パドレスは左腕ブレイク・スネルとダルビッシュ有を獲得したので争奪戦には加わらないだろう。
残りは、ブルージェイズ、ジャイアンツ、メッツ、レッドソックスの4チームだが、モロシはその後、ブルージェイズ、ジャイアンツ、メッツの3球団に変更した。
以前の「ニューヨーク・ポスト」の記事では、移籍先をブルージェイズと予想。その場合の契約内容は3年2700万ドルと紹介していた。メジャーの先発クラスとしては年平均900万ドルは少ない気がするが、メジャーで1球も投げてないので、最初はそんなものかもしれない。
ESPNのジェフ・パッサンはブルージェイズと3年2400万ドルを予想。これも年平均800万ドルと先発FA投手が少ない割には低い金額だった。
移籍情報サイト「MLBトレード・ルーマーズ」は3年4000万ドル前後を予想していた。減収減益のシーズンだったので1年契約が圧倒的に多いことを考えると4~5年契約は望めないだろう。3年契約でも3年目は球団オプションでバイアウトが付くとか、不利な条件を提示されることが予想される。
個人的な予想は2点の理由でSFジャイアンツ
契約内容よりも移籍先が気になるが、個人的にはSFジャイアンツのユニフォーム姿を見てみたい。カナダ・トロントのブルージェイズもドーム球場なのでドーム球場に慣れた菅野にとっては悪くはない条件だが、投球スタイルやパークファクターから考えるとジャイアンツの方が有利な気がする。。
東京のジャイアンツからサンフランシスコのジャイアンツ。これまで日本人初の大リーガー・村上雅則さん(1964年〜1965年)ぐらいで、日本人選手の馴染みが薄かったSFジャイアンツだが、2点の観点からその移籍を予想する。
①現球団社長のファーハン・ザイディはドジャースのゼネラルマネージャー(GM)時代に前田健太を広島から獲得するなど、日本人選手の実力を理解している人物。17年夏にもポストシーズンの助っ人としてトレードでダルビッシュ有を補強している。
②監督は05年に巨人にも在籍したゲーブ・キャプラー。日本のプロ野球のレベルの高さと巨人のエースがどれだけの力量があるかは肌感覚で知っているはずだ。
希望的観測になるがサンフランシスコは日本人も多い土地柄で家族も不便はないだろう。本拠地球場であるオラクル・パークは、ライトスタンド後方がサンフランシスコ湾の入り江となっており海から吹きこむ「Into the wind(イントゥ ザ ウインド)」の風が強い上にライトフェンスも高くて右中間が深いという変形フィールド。
菅野にとっては、パワーのある左打者と対峙した場合に有利に働くような気がする。
SFジャイアンツの先発ローテは?
ジャイアンツの先発ローテションは、ゴーズマンが1890万ドル(約19億8450万円)のクオリファイング・オファー(QO)を受け入れて残留を決めたが、ジェフ・サマージャが9月後半にDFAになり、左腕のドリュー・スマイリーも放出。ジョニー・クエトはトミー・ジョン手術から復帰後、19年防御率5.06、20年も12試合で防御率5.40と以前の輝きはない。
このオフは、タイラー・アンダーソンと再契約したが、FAでは右腕アンソニー・デスクラファニーと1年600万ドルで契約しただけだ。
1.ケビン・ゴーズマン
2.ジョニー・クエト
3.アンソニー・デスクラファニー
4.ローガン・ウェッブ
5.タイラー・アンダーソン
ドジャース、パドレスと比べると、戦力的には劣るものを感じる。
ポスティング・システムとは?
これまで何度か改訂され、18年オフには契約金と年俸の総額に応じて日本球団への譲渡金が決まる制度に変更された。
このポスティング制度を利用して入札したメジャーリーグの球団は、ドラフト指名権の譲渡義務が無いことや、譲渡金が「ぜいたく税」の対象にならない。
ケン・ローゼンタールからの追加情報
Thursday is final day of Japanese RHP Tomoyuki Sugano’s posting period, and deal likely in next day or two. Not out of question he could return to Yomiuri Giants, who have made him four-year offer with three opt-outs, sources say. MLB teams, however, offering greater dollars.
— Ken Rosenthal (@Ken_Rosenthal) January 3, 2021
巨人からも4年契約を提示されているという情報が入ってきた。提示金額は分からないが4年契約には3つのオプトアウトが含まれているということ。
オプトアウトが毎年設定されているという有利な条件で、それを利用すれば今季終了後に海外FA権を取得する菅野は、巨人に在籍しながら、場合によっては毎年、メジャー移籍に挑戦できることになり、コロナ禍で不安定なメジャーリーグ移籍を決めるより、1年から2年間様子を見ることも考えられる。
ただ、その場合は年齢面を考慮して複数年契約は厳しくなる。契約額もダウン提示になる。メジャーでは今季、有力なスターターがFA市場に少ないが、どちらをとるかは菅野次第だ。
菅野智之は4年総額約41億6000万で巨人残留と米報道 年俸では10億4000万円となり「ペタジーニ超え」のプロ野球歴代最高年俸 https://t.co/rpBmO0r4PY
— スポーツナビ 野球編集部 (@sn_baseball_jp) January 8, 2021