年俸の扱いを巡り労使が対立、開幕もできない状況のメジャーリーグ。
MLB2020シーズン
メジャー施設でも広がるコロナパンデミック
AP通信によるとフロリダ州クリアウオーターの球団施設で練習していたフィリーズの選手5人と関係者3人から新型コロナウイルスの陽性反応が出たという。
ほかに現地の選手20人、スタッフ12人の検査結果はまだ判明しておらず、施設は無期限で閉鎖状態になった。
さらに、山口俊投手が所属するブルージェイズは新型コロナウイルスの症状を示す選手が出たためフロリダ州ダンイーデンの施設を閉めた。
山口投手は3月下旬に日本へ帰国しているが、新型コロナウイルスの世界的パンデミックの影響はメジャーリーグの開幕にも暗い影を落としている。
労使交渉は65試合が落としどころ?
メジャーリーグは17日(日本時間18日)、メジャーリーグ機構(MLB)のロブ・マンフレッド・コミッショナーと選手会(MLBPA)のトニー・クラーク専務理事が会談。複数のメディアの情報ではMLB側が7月19日(日本時間20日)に開幕する「シーズン60試合制」を提案した。
One more time: Union would figure to counter, perhaps with goal of settling at 65 games. With full pro-rated salaries, that number would get players ~40 percent of their original projected earnings for 2020. Per @JaysonSt, 66 games might work best for scheduling purposes. https://t.co/Dyu3JqNCdg
— Ken Rosenthal (@Ken_Rosenthal) June 17, 2020
シーズン60試合制など、主な5項目のMLB提案
ジ・アスレチックのケン・ローゼンタールによるとMLBは4度目の提案をMLBPAにした。
①70日間で60試合実施
②7月19日、もしくは20日開幕
③年俸は完全日割100%
④拡大プレイオフを今季と来季に実施
⑤異議申し立て権利の放棄
この5項目が中心になった代替え案を提示した。
当初の6月10日にスプリングトレーニングの再始動をする案がすでに遅れている以上、7月4日の「82試合案」は日程的に不可能。
一部で、損をしてまで今季は開幕しなくてもよいと考えるオーナーもいて、82試合からシーズンの3割程度の試合数になる50試合という案がオーナーサイドから上がっていた。これに10試合を上乗せした譲歩案とも考えられる。
MLB(オーナー側)としては無観客試合による収入減を考えると試合数に応じた「完全日割」は保証できないとし、MLBPAが主張する3月に取り決めた「試合数に応じて年俸を支払う完全日割100%」を撤回していたが、MLBPA(選手側)からの猛反発で「完全日割100%」を認めた。
そのうえで1試合でも多くの試合数を主張するMLBPAに対抗案として50試合前後の案をだした。これなら「完全日割」と計算しても選手たちに支払う報酬は3割程度で済むからだ。
ケン・ローゼンタールは「65試合」が落としどころとみている。これならば以前の50試合(3割)から4割程度になるからだ。完全日割100%が受け入れられた以上、MLBPAは少しでも収入をアップしたいので試合数の上積みを要求するだろう。
その後、MLBPAが70試合制を逆提案したが、MLBは60試合以上は受け入れられないとしてMLBPAの70試合案を拒否。現地19日の時点で交渉は平行線だ。
結局、ビジネスライクなオーナー側と報酬減を少しでもカバーしたい選手たちの金銭面での泥沼化状況は変わらない。いつ、終止符が打たれるのだろうか?ファンからしてみれば、おもしろくもない状況が続いている。