各球団のフロントが考えるスプリングトレーニングの最重要事項は、技術の向上ではなくオフに編成した戦力が、いかにその期待するパフォーマンスを落とすことなく無事にオープニングデーを迎えることができるかだろう。
MLB2020
そのうえで新戦力の力量を見極めて、場合によってはノン・ロスター・インバイティー(NRI)の選手とメジャー契約(40人枠)を結ぶかどうかを考える。
とくに高額を投資している先発投手たちや中心打者のコンディション、モチベーションの管理は最も気を遣うところだ。
ここでは、先発ローテーションにスポットを当てて、予定していた戦力に異変(戦力ダウン)がありそうなチームを紹介したい。
前回のヤンキース、レッドソックスについで同地区のレイズにも先発ローテが変動しそうだ。大谷翔平が5月15日以降で投手として復帰するエンゼルスと合わせて紹介したい。
レイズ
ブレイク・スネルが肘に違和感を訴えて予定していた登板を回避している。18年に21勝(MLB1位)、ERA+219(AL1位)、被打率.178(AL1位)、防御率1.89(AL1位タイ)、WAR7.5(投手AL1位)という好投で「サイ・ヤング賞」を獲得。
19年3月に5年総額5000万ドルの複数年契約を結んだが、昨年は自宅の風呂場で右足薬指の骨折して4月16日に10日間の故障者リスト(IR)入り。8月29日にも左肘の遊離体除去手術を受け、計69日間、IR入りした。
チームは、長期的に先発ローテの核として彼を位置付けており、この春は無理をさせない方針。チャーリー・モートンが開幕投手になる可能性がでてきた。まだ、開幕まで時間があるので注目したい。
エンゼルス
エンゼルスも先発ローテの層が薄いうえに毎年のように主力投手が故障している。この春も若手で将来性が期待されているグリフィン・キャニングが右肘のMRI検査を受けた。
地元紙「オレンジカウンティ・レジスター」の記事では、UCL(尺骨側副靭帯)の「慢性的な疾患」と肘の「急性関節炎」と診断され、IR入りして様子を見ながらの調整になるようだ。
23歳のキャニングは、地元UCLA出身で17年のMLBドラフトでエンゼルスが2巡目(全体47位)で指名している。昨年も2度IRに入っており、開幕から先発ローテーション入りが期待されたが、どうやら赤信号のようだ。
エンゼルスは、他にも先発のフェリックス・ペーニャ、ジャスティン・アンドリースらがIRに入っている。
【先発ローテーション】
1 フリオ・テーラン 新戦力
2 アンドリュー・ヒーニー
3 ディラン・バンディ 新戦力
4グリフィン・キャニング
5マット・アンドリース
※大谷翔平 5月15日以降に復帰予定
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