「先発ローテーション」のチーム別ワースト・ランキング
以前、「MLB2020 ブルペンが崩壊したチーム ワースト10」と題してパフォーマンスの悪かったブルペンのチーム別「ワースト・ランキング」を紹介した。
ここでは「先発ローテーション」にスポットを当ててチーム別にワースト・ランキングを紹介したい。ファングラフスのWAR(fWAR)という指標をもとに数値の低かった先発ローテーションを紹介する。
ここで紹介するチームは、このオフに先発投手の補強が急務であることは間違いないだろう。お気に入りチームのゼネラルマネージャー(GM)になった気分で見てみると楽しいかもしれない。
R NAME fWAR ERA FIP
① 30 レッドソックス 0.4 5.34 5.50
② 29 タイガース 0.8 6.37 5.53
③ 28 パイレーツ 1.2 4.74 5.29
④ 27 ダイアモンドバックス 1.8 5.04 5.12
⑤ 26 ブレーブス 2.0 5.51 4.98
⑥ 25 ロイヤルズ 2.2 4.70 4.91
⑦ 24 ナショナルズ 2.5 5.38 5.17
⑧ 23 ブルージェイズ 2.6 4.55 4.90
⑨ 22 レンジャーズ 2.7 5.32 5.06
⑩ 21 エンゼルス 2.9 5.52 4.78
※ERAは防御率。FIP(Fielding Independent Pitching)とは、チームの守備力や運に左右されず、投手の純粋な能力を表すことができる指標。チーム名の前の「30」や「29」という数字は、MLB30球団中の順位であることをご理解いただきたい。
レッドソックスが最下位、エンゼルスもMLB全体で21位
レッドソックスの先発投手たちはトータルで246イニングしか投げておらず、60試合で割れば1試合平均4.1イニング。これでは地区最下位は仕方ないだろう。60試合の異例のシーズンとはいえボストンのレッドソックスファンは、さぞガッカリしたに違いない。
さて、日本のメジャーファンをガッカリさせたのは、大谷翔平の二刀流復活で期待したエンゼルス。先発陣のコマ数不足は予想していたが、大谷も2試合の登板に終わって全体21位。例年のような定位置に終わった。GMも予想通り解任された。
エンゼルスの来季先発ローテーションは?
エンゼルスで来季も使えそうな先発投手は、ディラン・バンディ(6勝3敗、防御率3.29、FIP2.95)、グリフィン・キャニング(2勝3敗、防御率3.99、FIP4.33)、左腕アンドリュー・ヒーニー(4勝3敗、防御率4.46、FIP3.79)の3人だが、バンディは500万ドルの1年契約だったので契約延長は優先事項だろう。ヒーニーとキャニングは他チームなら3番手~5番手といった投手だ。
3人いるだけでも、パドレスやジャイアンツあたりと比べると、まだマシな方かもしれないが、上位を狙うなら、新しいGMには大谷を計算に入れることなく先発投手のエース格を含む3枚ぐらいはFAやトレードで獲得してほしい。
田中将大や菅野智之も十分に選択肢
田中将大や菅野智之も複数年契約にになるが、十分に選択肢に入るだろう。田中は大谷翔平のメンターとしても獲得する価値はあるだろう。
逆に先発ローテーションの良かったチームは?
ちなみに、もっとも数値が良かったチームは、トレバー・バウアーがエースだったレッズでfWAR8.1、スターター(先発投手)の防御率3.50、FIP3.47。
投手王国というイメージがあるインディアンスが2位。ドジャースが11位で意外と低くfWAR4.8だった。ただ、防御率では全体2位の3.29と良い数値を示している。
前田健太がエース級の活躍をしたツインズもMLB全体で5位と高い数値。菊池雄星のマリナーズは15位で、それほど悪い数値ではなかった。
▽Information source
fangraphs
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