歴代最多の通算652セーブを誇る史上最高のクローザー、マリアーノ・リベラ。その最後のマウンドは感動的だった。
異動の激しいメジャーでヤンキースひと筋19年、野茂が海を渡った頃からメジャーを見始めた私にとって、ヤンキースの勝利の方程式といえば、9回のマリアーノ・リベラの登場だった。
そのリベラ最後の日、2013年9月26日は感動的だった。今季ヤンキースタジアム最終戦のタンパベイ・レイズ戦。
リベラの最後の雄姿を見ようと、4万8000人を超えるヤンキースファンが見守る中、試合は始まりました。そして、ついにその瞬間が・・・。
8回一死、1、2塁の場面で守護神リベラの登場。その後、9回ツーアウトまで4人を打ち取ると、なんとあと一人の場面で、ベンチから出てきたのは、ジョー・ジラルディ監督ではなく、長年一緒にプレイしてきたキャプテンのデレク・ジーターと、今シーズンで引退を表明した同期のアンディ・ペティットの二人。
粋な演出でしたね。かっこ良かった。ゲームをそのまま終わらせずに、大観衆が見守るなか盟友ふたりがマウンドに歩み寄って、リベラに交代を告げた。
リベラはペティットに抱きつき、しばらく号泣したあと、ファンのスタンディングオベーションの中、ヤンキースタジアムの最後のマウンドを降りていった。
ジャッキー・ロビンソン(黒人初のメジャーリーガー)のデビュー50年を記念して、1997年に30球団すべての背番号42が永久欠番となったため、それまで42を付けていたリベラだけが許されて「42」を付けていたが、彼の引退によって、現役で42番の選手はゼロになった。
マリアーノ・リベラは2019年1月23日、史上初の得票率100%でアメリカ野球殿堂入りを果たしている。