マリナーズのイチロー外野手が現地14日の試合中に「右ふくらはぎの張り」を訴え、途中交代したというニュースが入って来た。
その後、チームからの発表では「軽症」ということで大事には至らなかったようだが、心配される。誰もが「Opening Day」の勇姿をみたいに違いないからだ。
この日、アリゾナ州ピオリアで行われたジャイアンツとのオープン戦に「1番 レフト」で先発出場したイチロー。
1回の守備についた際、ボールを捕ったり投げたりする守備機会はなかったが、相手の攻撃が終わってベンチに戻る途中に右足をかばうそぶりを見せ、1回の打席には立たずに交代した。
44歳になっても衰えを知らないイチロー。9日には、ベースランニングでその快足を披露していた。
大きなニュースにはなっていなかったが、これまでも様々なケガを克服してきた。
最近では、マイアミ時代の16年6月2日、ホームでのパイレーツ戦でスライディングキャッチした際に左手首を負傷。それでもそれを隠して次のミネソタでのツインズとのシリーズでは、右手だけで打っていた事をオフの特別番組で明かしていた。
毎年、オフは神戸の「ほっともっとフィールド神戸」を借り切って自主トレ。シーズン中も3塁側ベンチ裏の通路に4台のマシーンを置いて試合中でも体をケアしている。
ケガをしないのではなく、回復が早い。「初動負荷理論」を応用したベンチ裏のマシーンもそのツールのひとつだ。
「筋肉を大きくするのではなく、柔らかく保つこと」。26歳の頃から続けている、イチローの“ルーティン”かもしれない。
イチローはインタビューで、「実際にコレをやると血中に酸素が入ってくる」と解説。その「血中ヘモグロビンの濃度」を測定した映像では、普通のウエイトトレーニングをしているアスリートよりもはるかに血中ヘモグロビンの濃度が濃く、次第にそれが増えていくことが計測されている。
全身に酸素を運ぶ血中ヘモグロビンの濃度が高ければ、老廃物や疲労物質が体に溜まりにくく、その結果、疲労回復が早いという。
ここで開幕スタメンを逃すイチローではないはずだ。今日もマシンの音が鳴り響いているに違いない。おそらく数日後には、イチローの勇姿がフィールドで見られるだろう。