現地の複数の報道によればレンジャーズがティム・リンスカム投手とメジャー契約を結ぶことで合意に至ったようだ。
MLB契約情報
フィジカルチェックを経てに正式契約になる模様だが、地元メディア「ダラス・モーニング・ニューズ」のエバン・グラント氏によれば契約内容は、1年1,000万ドルのメジャー契約。
リンスカムと言えば、独特のフォームや優しい顔に長髪をなびかせるスタイルが人気だった。
2006年のドラフトで1巡10位指名を受けジャイアンツに入団。翌年メジャーデビューを果たすと、最速159kmの速球とスプリッターを武器に7勝を挙げ、翌年には自己最高の18勝をマークした。
その後、14年まで7年連続で10勝以上を達成しているが、その間、10、12、14年の3度ワールドシリーズ制覇に貢献した。
さらに、08、09年には2年連続でサイ・ヤング賞を受賞。2度のノーヒッターも記録。オールスターにも4回選ばれた。
しかし、14年の12勝を最後に故障で戦列を離れた。15年6月、打球を右腕に受け、9月には股関節の手術を受けた。16年にはエンゼルスと1年契約を結んで再起に挑んだが、9試合に先発して2勝6敗、防御率9.16と結果を残せなかった。
かつてのサイヤング賞投手、ティム・リンスカムがレンジャーズと契約したと報じられた。先発ではなくリリーフになる可能性もあるといい、あのリンスカムがクローザーになるかもしれない。https://t.co/82l5GIdz8P pic.twitter.com/AUoR4lIlij
— MLB Japan (@MLBJapan) 2018年2月28日
華々しい活躍をしながら球速に輝きを失ったリンスカム。
しかし、今季は球威がかつて程ではないものの復活傾向にあるという噂はあった。昨年12月に、リンスカムが復活に向けトレーニングしているという情報が流れた。
ロッキーズのアダム・オッタビーノ投手がインスタグラムにトレーニング施設でグラブをはめて練習するリンスカムの写真を掲載。その後、シアトルにある野球専門のトレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」の創設者がツイッターに同じ写真を載せて話題になった。
リンスカムのショーケース(公開練習)には、分かっているだけでもレンジャーズ、フィリーズ、ドジャース、ツインズ、タイガース、オリオールズ、ヤンキース、レッドソックス、ブルワーズ、パドレス、マリナーズ、カージナルスのスカウトたちが集まったという。
彼らの前で、リンスカムがトレーニングの成果を見せたのだろう。いくら実績があっても1年1,000万ドルのメジャー契約は高い気がするからだ。
レンジャーズとの契約では、先発ローテ候補というだけでなく、ブルペンでの起用も選択肢となっているらしい。
リンスカムはメジャーで270試合に先発しているが、ゲームの途中から投げたのは08年の1試合と14年の7試合だけ。リリーフは、全くの未知数だが、先発投手のコマ数が足らないレンジャーズが、マット・ブッシュを先発ローテに配置転換して、そのブルペンの穴にリンスカムを起用することも計算に入れているという。