MLBやアメフトのプロリーグNFLの中継を見ていると次から次へと記録が紹介されて、よくもこんな記録を出してきた驚くときがある。
イチロー伝説
数字が名プレイヤーを作るかの如くいろんな記録が出てきて感心したり笑えたりする。
というわけで、MLB通算500盗塁で3000安打という100年以上の歴史を持つリーグで7人目の“レジェンド”になろうとしているイチロー伝説のほんの一部を紹介する。
直近では、5月21~23日の3試合で13打数10安打をマークしたが、42歳以上の選手が3試合で10安打以上は、1894年のキャップ・アンソン以来122年ぶりだという。
どこで調べたのか、打ったイチローより、これを調べた数字オタクの凄さの方が驚きだ。
2004年のシーズン最多「262安打」
イチローは2004年に1920年にジョージ・シスラーが打ち立てた257本という金字塔を越えた。この年の打率は.372。OPS.869。
球史の中で忘れ去られていたシスラーという先人をクローズアップさせたという事でもMLB関係者やファンは、「MLBの歴史を巡る旅」をイチローと一緒にしている気分になる。
「262安打」のうち225本はシングル(内野安打57)。762回打席に入って三振は63回という少なさも付け加えたい。当然、ご褒美があってデビュー以来2度目の首位打者を獲得した。
シングルヒットだけではない、「先頭打者本塁打」も偉大な記録の1つだ。
メジャー記録は盗塁王リッキー・ヘンダーソンの通算81本塁打で、イチローの37本は歴代7位にランクインしている。
2人が共有した2004年は「間違いなくスペシャルな経験だった」
先日対戦したミネソタ・ツインズ。現在ツインズを率いるのは殿堂入り三塁手ポール・モリター。彼は、イチローがマリナーズ時代の2004年、メジャー最多となる年間262安打を記録した時の打撃コーチだった。
モリター監督もイチローも代理人はジョン・ボッグス氏。そんな縁もあり、2014年オフにモリター監督がツインズ監督に就任した際、当時フリーエージェントだったイチローの獲得を球団首脳に積極的に勧めたらしい。
先日もメディアで紹介されていたが、当時ボブ・メルビン監督(現アスレチックス監督)の下で打撃コーチだったモリター氏は「キャンプを通じて、打席で積極的にバットを振るイチローに球数をかせいで四球を選ぶように言い続けた」という。
だが、開幕から49打数で打率.277、2四球と調子の上がらなかったイチローにこう言ったという。
「私がスプリングトレーニングで言ったことは全部忘れなさい」
そこからイチローは3ヵ月にわたり月間50安打を記録するなど新記録への歩みを続ける。
イチローも通訳を介して「あの年、好不調の波がある中で、ずっと僕を信じ続けてくれていた。僕のやること、僕の才能を信じ、任せてくれていた」
「精神面で苦しい時やタフな状況にある時、普通の人に『リラックスしろよ』と言われるのと、ポール・モリターのような人物に『リラックスしろよ』と言われるのではまったく意味が違う。それだけ言葉に重みのある人」とコメントしている。
「もう一度一緒に野球をしたいと思える数少ない人物の1人」とモリター氏について最高の賛辞を贈った。
2人が共有した2004年は「間違いなくスペシャルな経験だった」と振り返っている。