ツインズは衝撃のポール・モリター監督の解任劇から1年、38歳ロッコ・バルデッリ新監督がチームを9年ぶりの地区優勝へ導いた。
今回は、そんな指揮官ロッコ・バルデッリにスポットを当ててみた。
昨シーズン、衝撃のポール・モリター監督の解任だったツインズは、ロッコ・バルデッリが新監督として就任したことを18年10月25日に発表した。1980年代生まれの監督は、メジャーリーグ史上初。37歳での監督就任はメジャー最年少の監督になる。
ロッコ・バルデッリは、03年3月31日にデビルレイズ(現レイズ)の2番センターとしてメジャーデビュー。ポール・モリターを彷彿させるという打撃フォームで全方向へ打てるスプレーヒッターだった。
イタリア系アメリカ人ということで、「ジョー・ディマジオ2世」と呼ばれるようになり、デビューした4月にルーキーとしてはイチローの月間安打数(01年の39本)を上回る40安打をマークしている。
07年頃に筋肉の異常により疲労が取れにくいという「ミトコンドリア病」を発症。これが原因で30歳を前に引退した。レイズ、レッドソックスでプレイし、メジャー7年間で519試合、打率.278、60本塁打、60盗塁、OPS.766だった。
現役引退後は、14年12月20日にレイズの一塁コーチに就任。レイズのコーチは18年まで務めた。
現在は、「ミトコンドリア病」の症状から回復し、健康状態は良好だという。
クラブハウスでの雰囲気づくりがポイント
ツインズは、16年に103敗を喫して最下位だったチームをワイルドカードに導き、17年の最優秀監督賞を受賞したポール・モリター氏と18年から新たに3年契約を結んでいたが、78勝84敗の成績に終わり、シーズン終了後に契約を2年残してモリター氏を解任していた。
モリター氏は、ブルワーズで15年、ツインズで3年など、現役生活21年間で3319本の安打(メジャー歴代10位)をマークし、野球殿堂入りを果たしているレジェンド。
ツインズの本拠地ミネソタ州の地元で育った“ホームグロウン”の監督として、長期政権が予想されたが、電撃解任だった。
これは推測だが、昨今は、昔ながらの監督スタイルは姿を消し、選手の起用法など、データ分析担当を重用するのがトレンド。監督はクラブハウスで兄貴分のようなコミュニケーション能力が求められる。
シーズン300本塁打という長打力が際立ったツインズだが、ロッコ・バルデッリ新監督もそんな指揮官だ。データ分析では先進的なことで知られるレイズでコーチを務めていただけあって「データ重視」は容易に想像できるが、クラブハウスでは兄貴分のように選手と寄り添うタイプの監督で、選手の自主性を引き出すタイプの監督のようだ。
前監督のポール・モリター氏は62歳。年齢から考えてもエンゼルスを退任した59歳マイク・ソーシア監督やブルージェイズ監督だったジョン・ギボンズ氏(56歳)などと同じ「オールド・スクール」の監督だったかもしれない。
データ重視は当たり前の時代になったが、コーチや監督にはクラブハウスでの雰囲気づくりができるコミュニケーション能力も求められる時代になった。
Most wins by a rookie manager in Senators/#MNTwins history:@roccodbaldelli 100-60* (2019)
Joe Cronin 99-53 (1933)
Bill Rigney 98-64 (1970)
Billy Martin 97-65 (1969)
*two games remaining https://t.co/ykkyJB7spA
— Minnesota Twins (@Twins) September 28, 2019