MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

青木に悲劇 脳震とう訴え先発外れる シーズン絶望の報道も

 

サンフランシスコ・ジャイアンツ青木宣親外野手が5日、脳震とうの症状を訴え、コロラド・ロッキーズ戦の先発から外れた。

 

 

MLB2015

 

 

チームの地元紙『サンフランシスコ・クロニクル』(電子版)など複数のメディアが報じているところによると、残りのシーズン全試合を欠場する可能性もあるという。

 

同サイトによると、ジャイアンツのブルース・ボウチー監督は、青木について疲労から目まいを感じているようだと語り、検査の必要があるとしている。

 

青木は、先月9日の試合で頭部に死球を受けて途中交代すると、12日の試合で脳震とうの症状を覚えたため、7日間の故障者リストに登録された。そして、20日に復帰するも、13試合で打率.200と不調に陥っている。

 

青木は今季前半、67試合に出場し、打率.317をマーク。しかし、6月20日ロサンゼルス・ドジャース戦で死球により右足腓骨を骨折し、約1カ月の離脱を余儀なくされており、オールスターブレイク後は、わずか26試合の出場にとどまっている。

 

青木宣親

 

 

ジャイアンツは、ドジャースに7.5ゲーム差を離されて今季のポストシーズン進出は、ほぼ無くなりましたが、青木の来季以降の契約にも影響しそうですね。

 

青木は、今季の打席数が550に達すると、自動的に来季の契約が更新される。それだけではなく、100万ドル(約1億2000万円)のボーナスがもらえる契約らしい。

 

今季の年俸は400万ドル(約4億9000万円)だが、400打席から500打席まで25打席ごとに10万ドル(約1200万円)ずつのボーナスが発生。525打席以降は600打席まで、25打席ごとに25万ドル(約3000万円)ずつのボーナスがプラスされるのだ。

 

ここまで、93試合392打席しか打席に立っていない。試合中のケガが契約にどう影響するかはわからないが、青木にとっては400打席にも達していない残念なシーズンになるかもしれない。

 

 

来季以降の契約にも影響、選手生命を絶たれた例もある

 

米国では、激しいコンタクトスポーツのアメリカンフットボールによるコンカッション(脳震とう)で、元選手たちがリーグ(NFL)相手に訴訟を起こしていた。

 

約4,500人の元NFL選手がNFLを相手に起こしていた脳震とう集団訴訟は、2013年8月に両者が和解に合意。連邦判事の調停で、2ヶ月近く交渉を続けてきたNFLと選手側は、NFLが医療手当てや傷害賠償、医療や安全面での研究費に総額7億6,500万ドル(約750億円)を充当することで合意した。

 

アメリカンフットボールの盛んなテキサス州アラバマ州では、すでに州の高校体育協会の競技規則で練習中のフルコンタクトを規制している。

 

MLBにおいては1920年8月16日に行われたニューヨーク・ヤンキースクリーブランド・インディアンス戦で、インディアンスのレイ・チャップマンがヤンキースのカール・メイズの投球を左のこめかみ部分に受け、翌日死亡するという悲劇が起きている。

 

チャップマンの死亡事故以降も、幾つもの悲惨な事故が繰り返された。選手寿命を縮め、事故によって現役を引退した選手も存在した。

 

最近の事例でも、ESPNによれば、アダム・グリーンバーグが2005年7月9日に代打出場でMLBデビューを飾ったが、その初打席の初球を後頭部に受けて退場。

 

彼は、その後も激しい頭痛や複視などの後遺症に悩まされたが、マイナーリーグや北米独立リーグで野球を続けた。グリーンバーグは2012年9月27日にマイアミ・マーリンズと「1日契約」を結び、7年ぶりにMLBへの復帰を果たした。

 

青木の選手寿命が縮まらないことを祈ります。