MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

イチロー2000得点 傑出した1番打者の誇り

メジャー史上7人だけの快挙。

イチロー日米通算2000得点の価値

他のジャンルのスポーツでは、サッカーなどを見ても「得点王」というタイトルは相当な価値あるものです。しかし、野球の世界ではあまり使われません。

現地8月31日、アトランタ・ブレーブス戦に「2番・ライト」で出場したマイアミ・マーリンズイチロー選手が、8回にフォアボールを選んで出塁した後にホームへと生還し、日米通算2000得点を達成しました。

イチロー選手はオリックス時代に658得点、メジャーで1342得点をマークし、日米通算をメジャー記録に相当すれば歴代8位となります。

MLB解説ではおなじみの福島良一さんによれば、ベースボールの歴史に「得点」という記録はずっと受け継がれていて、実際、日米ともに野球のボックススコアを見ても、「打数」の次に「得点」があり、そのあとに「安打」「打点」と続きます。つまり、「得点」の地位はベースボールの記録において高いものだという。

通算最多得点でメジャーリーグ歴代1位の選手は、メジャー生活25年間で計2295得点をマークしたリッキー・ヘンダーソン(1979年~2003年/オークランド・アスレチックスほか)です。

彼は「世界の盗塁王」として有名で、1991年に当時ルー・ブロック(1961年~1979年/セントルイス・カージナルスほか)の持っていた通算938盗塁のメジャー記録を塗り替え、最終的に通算1406盗塁という大記録を打ち立てました。

メジャーリーグ通算得点記録】

しかしながら、ヘンダーソンの最終目標は「世界の盗塁王」ではなく、「世界の得点王」になることだったのです。ヘンダーソンは現役時代、このような言葉を残しています。「自分が出塁して盗塁するのは、すべて得点のためにある。自分にとって最大の目標は、タイ・カッブが持つ通算2246得点のメジャー記録を更新することだ」。

ヘンダーソンは2003年の44歳までプレーし、さまざまなメジャー記録を更新し続けました。そのなかでも一番誇りにしていたのが、福嶋さん曰く「得点」の記録だったという。

それこそまさに、「史上最高の1番打者」と呼ばれる所以(ゆえん)ではないでしょうか。1番打者の役割とは、まずは塁に出て、最後はホームに帰る=得点することが常に求められています。

野球ライターで野球史研究家・野球統計の専門家でもあるビル・ジェームズが1970年代にセイバーメトリクスという選手の評価や戦略を考える分析手法を提唱して以来、選手を評価するには、様々な数字がありますが、いかに多くの「得点」を積み重ねてきたかどうかが、1番打者としての評価の基準とも言えるかもしれない。

イチローが到達しようとしている通算安打記録は、日々報道されています。

2013年に日米通算4000安打を達成した際、大きな話題となりました。しかし、今回の日米通算2000得点も、同じぐらい高く評価されてよい大記録だと、福嶋さんは言う。

イチローは9月4日現在、メジャー通算1343得点をマーク。これは、現役選手のなかで6位の記録になります。

これを機に、「得点」という記録を日本でも再評価してもいいのではないでしょうか。野球の原点を振り返る意味でも、塁に出て、そしてホームに帰ることで生まれる「得点」という記録に、これからも注目していきたいと思います。

記事参考

http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/mlb/2015/09/04/2000_1/index3.php

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