フラッグディール・トレード情報
トゥロウィツキーとレイエスの電撃トレード
毎年のことだが7月31日のトレード・デッドライン(ウェーバーを経由しないで行えるトレードの期限)に向けてMLBではトレードが活発化する。
優勝を狙うチームのいわゆる「フラッグディール・トレード」だ。
ここでもお伝えしたとおり地区首位を走るロイヤルズは、レッズのエース、ジョニー・クエトとスーパーユーティリティのベン・ゾブリストを補強。
ナショナルズ(ナッツ)も防御率1.59のクローザー、ジョナサン・パペルボンを加えるなど、各チームともプレイオフに向けた弱点強化に余念がありません。
ナッツと同地区で優勝争いをしているメッツもクローザーを補強。元ナッツのセットアッパーで、今季からアスレチックスで投げていたタイラー・クリッパードを獲得した。
故障歴や大型長期契約が残る不安もある
とくに電撃的だったのが、オールスター5度の実績を持つロッキーズのスター選手、トロイ・トゥロウィツキー遊撃手とブルージェイズのホセ・レイエス遊撃手のトレードだ。
メディアによればブルージェイズは、トゥロウィツキーに加えてここまで24試合に登板しているベテランリリーフのラトロイ・ホーキンスを獲得。
代償として過去に盗塁王3度のホセ・レイエス遊撃手に加えて100マイルの剛速球を持つリリーバーのミゲル・カストロ、エース級のポテンシャルを持つジェフ・ホフマンやヘスス・ティノコの3人のプロスペクトを放出することが決まっている。
White-hot @Phillies first to face #Tulo and new-look @BlueJays at 7:07 ET. http://t.co/uY6KSpUG3j #DKLineup pic.twitter.com/ptdMWr9VQp
— MLB Lineups (@mlblineups) 2015, 7月 29
CBS Sportsのジョン・ヘイマンは「ブルージェイズはレイエスの遊撃守備を懸念していた。彼らはトゥロを守備面でのアップグレードとしても考えている」とツイート。
打力強化に加え、ここ3年の守備防御点が-29と守備で足を引っ張っていたレイエスから好守のトゥロウィツキーにショートが変わるメリットを強調している。
トゥロウィツキーは今季ここまで打率.300、本塁打12本、53打点の好記録をマーク。
今月行われたオールスターゲームにも故障者の代役として出場した。その打撃力は現役の遊撃手の中でもトップクラスで、昨年は91試合の出場ながら打率.340をマークしている。
攻守に確かな実力を誇るトゥロウィツキーだが、彼の唯一の欠点が故障の多さ。140試合以上出場したのはメジャー定着後の8年間で3回だけ。過去3年間は平均88試合の出場に留まっている。
移籍するブルージェイズの本拠地ロジャース・センターは体への負担が大きい人工芝だけに、故障リスクの増加に加えて、2016年以降に5年9400万ドルの大型契約を残していることなど、懸念材料は大きいという意見もある。
ブルージェイズが、今回のトレードで多くの有望株を放出してしまったことも投手補強が必須なチーム編成上、大きなダメージになるだろう。