MLB2014
ダルビッシュのシーズンが終了。来季に向けて今季温存というシナリオも現実味を帯びてきた。
MLBのレギュラーシーズンは、残り9月の1ヶ月になった。10月はプレイオフに進出するチームだけに与えられると考えて良い。
現在、両リーグ最低勝率に低迷するレンジャーズには、10月はない。ここで、今季も10勝をマークし、3年連続オールスター選出のエースに無理をさせて来季を棒に振ってしまえば、元も子もないという視点に立った判断かもしれない。
右肘の軽度の炎症と診断をされたダルビッシュは、8月9日のアストロズ戦を最後にマウンドから遠ざかっている。当初は、25日(日本時間26日)から始まる敵地でのマリナーズとの3連戦に復帰が報道された。ところが、ここにきて雲行きが変わってきている。
次の死―運のためにリスクを避けたい
ESPNによればレンジャーズのジョン・ダニエルズGMがエースの状況をこう語っている。「彼の状況はいまだに同じまま。現在一番大事なことはメディカルスタッフのもとで、ユウの肘の症状を無くし、MRIを問題なく通過すること。もしも、リスクが高まるようならば、彼を(マウンドに)戻す意味はないと思う。それが我々の共通認識。チーム全員が様々な理由から彼には戻ってくることを切望しているが、賭けには出ないというのが、私の結論で、チームの結論でもある。ケガのリスクがあることは、2015年シーズンに大打撃となる」
ということでマリナーズとの3連戦もスキップして、28日からのアストロズ4連戦での復帰も「不透明」としている。
すでに来季の構想にシフトしているレンジャーズのフロント陣。ダルビッシュの負傷直後には早期復帰をたびたび明言してきた現場の指揮官ロン・ワシントン監督も一気にトーンダウン。負傷者の多いチームで、これ以上のリスクを避けたい為なのか、ここにきてチーム全体が慎重論に傾いてきたようだ。
もともとロースターが40人枠に拡がる9月は、ポストシーズンの絶たれたチームにとっては新戦力発掘の場になるケースが多い。うだるような暑さのテキサス・アーリントンには、早くもロッキー山脈から秋の風が吹き始めたということだろう。
❑ダルビッシュ有(3年目)
22試合10勝7敗、144.1回、SO182、ERA3.06、WHIP1.26