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【MLB移籍情報】大砲フィルダーがダルビッシュのレンジャーズに!

 

 

トレード情報

 

 

ダルビッシュに頼もしい大砲!

 

メジャーリーグで “ストーブリーグ” が加熱している。GMミーティングも終わり名GMとしても名高いタイガースのデーブ・ドブロウスキーとレンジャーズのジョン・ダニエルズの間で大型のトレードが成立し、タイガースのプリンス・フィルダー内野手とレンジャーズのイアン・キンズラーのトレードが成立した。

 

 

 

 

フィルダーはお父さんが日本の阪神タイガースでもプレーしたことでMLBを知らない日本のファンにもなじみのある選手。

 

キンズラーは、ダルビッシュが入団以後、レンジャーズのゲームが、毎日のように日本でも中継され名前を聞いたことがある人も多いはず。

 

情報は事前に一切、漏れることがなかったことで、米国内でも衝撃的なニュースとして取り上げられている。メジャーリーグならではのサプライズだろう。

 

昨日もNFLの中継を見ていて感じたことだが、氷点下のマサチューセッツからオールシーズン半そでのフロリダやサンディエゴまで、狭い日本では考えられないぐらいアメリカは、国土が広い。だからだろうか、文化も多様で、日本で考えられないような大型トレードが成立することが多い。

 

昨年も8月に成立したレッドソックスドジャースの超大型トレードで、レッドソックスはエイドリアン・ゴンザレス、カール・クロフォード、ジョシュ・ベケット、ニック・プントを放出し、ジェームズ・ロニーと若手4選手を獲得。

 

当初は疑問視されたあのトレードも、今季の結果を見ると正解だったと言える。オーナー交代で金満球団となっていたドジャースに大型契約の選手を引き取ってもらったレッドソックスは、その余剰資金で、オフにマイク・ナポリ、ジョニー・ゴームズ、そして上原浩治ら適材適所の補強を行い、見事にチームを立て直してワールドシリーズを制覇した。

 

ドジャースも、トレードの最大の目的はゴンザレスの獲得だったとされていた。そのゴンザレスを加えた打線が機能し地区優勝。25年ぶりのワールドシリーズ進出にもあと1歩と迫った。

 

オーガニゼーションという言葉があるが、人や物を適切に、または秩序だって配置したり処理したりする活動や結果のことだが、チーム作りもGMのオーガニゼーションが問われる。

 

 

フィルダーとキンズラーのトレードはどのような意味を持つのか?

 

まず、レンジャーズは明らかに打線の強化が必要だった。ダルビッシュへの援護も今季は少なかった。数年前のレンジャーズとは明らか違い、長距離砲がエイドリアン・ベルトレイだけという打線の貧弱さがネックとなり、プレーオフ進出を逃した。そのことから考えて今オフの補強ポイントは強打の一塁手だった。

 

今季、この条件にあてはまるFA選手はおらず、タイガースからのトレード打診に即答したという。フィルダーは最近、数字的にやや物足りないとはいえ、まだ29歳と若く、強打の1塁手という理想的な選手を獲得できたと言える。

 

左打者の本塁打が出やすく、メジャー屈指の「ヒッターズパーク」として知られるレンジャーズ・ボールパーク・イン・アーリントンに行けば、フィルダーの能力は存分に発揮される。

 

しかも、代わりに出したキンズラーは現地の報道でも放出候補に挙がっていた選手。球団は、二塁に有望株のジュリクソン・プロファーを固定したいと考えており、内野に穴は空かず、むしろ余剰戦力を整理した印象だ。

 

逆に、タイガースはオマール・インファンテがFAとなり、二塁が空いていた。機動力という点でチーム盗塁数35個でリーグ最低に終わっただけに、スピードのあるキンズラーの加入は弱点の補強になるはずだ。脚に不安を抱えるカブレラを三塁から一塁に戻す場合にフィルダーと被ることもなくなる。

 

メジャー通の意見では、この大型トレードは、大成功に終わる可能性が高いだろうという。ともにチームの主力中の主力でありながら、これほど理にかない、両球団が「Win-Win」となる可能性の高い選手交換は珍しいという。

 

さらに、資金の工面が出来たことがタイガースには大きい。フィルダーは2020年まで7年契約を残しており、タイガースは3000万ドル(約30億円)を負担するものの、残りの総額1億3800万ドル(約138億円)はレンジャーズが引き継ぐ。

 

キンズラーが残す4年6200万ドル(約62億円)の契約を差し引いても7600万ドル(約76億円)が浮いた計算となり、チーム強化に充てられる。 

 

現地では、このお金は今季のサイ・ヤング賞投手マックス・シャーザーとの契約更新に回される可能性が高いと報道されている。球界屈指の右腕の残留が、この大型トレードにより資金面で可能になった。 

 

ちなみに、今季は援護不足に苦しんだダルビッシュ有にとってもプラス材料が多いという分析もある。

 

実はフィルダーは対戦相手としてダルにとっては苦手の打者だったからだ。9打数3安打1本塁打3打点で、わずか13度の対戦ながら4つも四球を与えている。投げづらい相手だったと言う裏返しだ。