野茂がアメリカ野球殿堂に日本人初ノミネート
米野球殿堂(National Baseball Hall of Fame)は26日、2014年の殿堂入り候補者36人を発表。
米大リーグのドジャースなどで活躍した野茂英雄氏が日本人選手として初めてノミネートされた。
殿堂入りは、原則として大リーグで10年以上プレーし、現役引退から5年経過後に資格を得る。
全米野球記者協会(BBWAA)に10年以上在籍する記者による投票(最大10人)で、75%以上の票を得ることが条件となる。その年に選ばれなくても5%以上の票を獲得すれば、最長で15年間、候補者として残る。
新たに候補入りしたのは19人
新たに候補入りしたのは、野茂氏や通算355勝を挙げたグレグ・マダックス氏ら19人。
そうそうたるメンバーが名前を連ねているが、ブレーブスなどで活躍したマダックス氏は47歳。
1992年から4年連続でサイ・ヤング賞(最優秀投手賞)を獲得。17年連続で15勝以上をマークするなど精密機械のような制球が持ち味だった。最優秀防御率 4回。ゴールドグラブ賞 18回。
そのほかに通算305勝のトム・グラビン氏、通算521本塁打のフランク・トーマス氏らが含まれた。13年の選考から残った17人を合わせた36人が選考対象となる。
野茂の実績
野茂は近鉄から1995年にドジャース入りし、この年に最多奪三振(通算では2度獲得)と新人王を獲得。その後、ノーヒットノーランを2度達成するなど、メジャー通算123勝109敗、防御率4.24、1918奪三振の成績を残して2008年に引退した。
米野球殿堂入りの一つの目安は投手では300勝以上とされ、ハードルは高い。「メキシコの怪童」と呼ばれた173勝のフェルナンド・バレンズエラ氏も入っていない。
前回(今年の1月)の投票では、17年ぶりにひとりも選ばれなかった。
ちなみに、その時の最多はアストロズ一筋で通算3060安打を放ったクレイグ・ビジオ氏の388票(68.2%)だった。
余談だが、前回は大リーグの禁止薬物使用の実態を調査した「ミッチェル・リポート」で名前が挙がったバリー・ボンズ氏、ロジャー・クレメンス(通算354勝)両氏がノミネートされ投票結果が注目された。
ジャイアンツなどで通算762本塁打の大リーグ最多記録をマークしたボンズが9位の36.2%。クレメンスが8位の37.6%。両氏と同じくノミネートされ、薬物疑惑が報じられたことのある通算609本塁打のサミー・ソーサは17位だった。
パイオニアとしての功績
123勝の野茂は通算記録では及ばない。今回選ばれる可能性もないと思われるが、名を連ねただけでも偉大なことであり、日本選手のパイオニアとしての功績が評価されている証左といえるだろう。結果は来年1月8日(日本時間9日)に発表される。
アメリカ野球殿堂
「野球殿堂」は殿堂博物館とその関連施設だけでなく、そこに名前を刻まれた選手、監督、コーチ、審判、そのほか野球の発展に寄与した人々の記念碑的な意味合いもある。
1936年にタイ・カッブ、ベーブ・ルース、ホーナス・ワグナー、クリスティ・マシューソン、ウォルター・ジョンソンの5人が初の殿堂入り選手に選ばれてから、2013年度の表彰が終わった時点で72人の投手、165人の野手、20人の監督、10人の審判員、33人の野球発展貢献者の合計300人が殿堂に名前を刻んでいる。