エンゼルスは23日(日本時間24日)、メッツのエドゥアルド・エスコバー内野手と金銭をマイナーのプロスペクト投手2人とのトレードで獲得したことを発表している。
MLB移籍情報
苦労人エスコバーが加入
7月末のトレード・デッドラインを前に早くもミナシアンGMが動いた。相手はエプラーGMのメッツだ。エプラーは前エンゼルスのGM。メッツはここまで大きく負け越して地区4位と苦戦している。
エンゼルスは内野手のジオ・ウルシェラが骨盤骨折で今季の出場は絶望。さらに、アンソニー・レンドーン三塁手、ザック・ネト遊撃手らの主力内野手が相次いで負傷者リスト(IL)入りしており、足りなくなった戦力の補強が急務だった。
エンゼルスが獲得したエスコバーはベネズエラ出身の34歳。2011年にホワイトソックスでメジャーデビューした13年目のベテランで、エンゼルスがメジャー6球団目。三塁を中心に一塁や二遊間など内野の各ポジションと外野を守ったベテランのユーティリティー選手だ。
OFFICIAL: The Angels have acquired INF Eduardo Escobar and cash considerations from the New York Mets in exchange for minor league right-handed pitchers Landon Marceaux and Coleman Crow. pic.twitter.com/ETR3KGEfpK
— Los Angeles Angels (@Angels) June 23, 2023
スイッチーヒッターでメッツに移籍した昨年は初のサイクル安打も記録している。
今季は40試合の出場で110打数26安打の打率.236、本塁打4、打点16、OBP.286、OPS.695。2019年に35本塁打をマーク。昨季も20本塁打を記録するなどパンチ力はウルシェラよりもをありそうだ。
地域活動や慈善活動に熱心に取り組むエスコバー
打撃以外に期待できるのはエスコバーのムードメーカーとしての存在感だろう。これまでのチームメイトは口をそろえて彼のリーダーシップを称賛している。
地域活動や慈善活動に熱心に取り組んでいることも有名で、ダイヤモンドバックス在籍時の2019年と20年にはロベルト・クレメンテ賞にもノミネートされている。
長期遠征から帰ってきた翌日の午前中でも嫌な顔一つもせずに小学校や病院を訪問し、その姿を見たほかのラテン系選手も地域活動に熱心に携わるようになったという。球団内では「エスコバー・エフェクト」と言われるまでに・・・。
もともとベネズエラではシングルマザーの家庭で育った。家庭は貧しくエスコバーの母は女手一つで6人兄弟を育て上げたという。彼もいろんなアルバイトをしながら家計を支えた。
そうした苦労した少年時代の経験が影響しているようで、母の苦労する姿を見て育ったことが野球人生の軸になったのだろう。
エスコバーのような経験豊かな人格者がチームに加入したことは大きい。アメリカ人とラテン系や他国籍選手の橋渡し役になってくれるかもしれない。
エンゼルスからはマイナーの2投手、23歳のランドン・マーソーと22歳のコールマン・クロウという2Aクラスの投手が交換要員として移籍した。
「MLBパイプライン」の球団内プロスペクト・ランキングではマーソーが20位、クロウが19位にランクインしている。