ナショナルリーグ東部地区は今季もメッツが好発進で30試合を消化した時点で首位に立っていたが、ここに来てブレーブスとフィリーズがじりじりとその差を詰めてきて面白い展開になってきた。
NL EAST ブレーブスとフィリーズが復調
首位メッツを追いかけるブレーブスとフィリーズ
各チームが60試合近くを消化した時点でNL東部地区は首位メッツを追いかける地区4連覇中のブレーブスが9連勝。6月は9勝1敗と調子を上げてきた。
さらに、ジラルディ監督を解任したフィリーズも8連勝と好調。解任劇の後は7戦全勝とロブ・トムソン監督代行のもとで勝利のリズムを取り戻した。
昨年もこの地区は新オーナーのもとで大補強したメッツが前半戦を首位で折り返したが、勝負どころの8月から9月に失速して最終的にはブレーブスが制した。
昨年の覇者ブレーブス
ブレーブスはロッキーズに4連勝して、アスレチック、パイレーツに2連勝と6月前半は下位チームとの日程が組まれたことも影響している。
4月と5月は西海岸の強豪ドジャースに1勝2敗、パドレスに3勝4敗と負け越した。
ただ、試合数の多い同地区ライバルのメッツとは2勝2敗、フィリーズとも2勝2敗で互角の戦い。下位のナショナルズには1勝2敗だったが、マーリンズには5勝4敗と勝ち越し、同地区相手では10勝10敗と遜色ない戦いを繰り広げている。
先発ローテーションのチャーリー・モートン投手が11先発で防御率5.63、イアン・アンダーソン投手が11試合で防御率4.53と昨年ほどの安定感がないのがやや不安材料で、出遅れた原因かもしれない。
アキレス腱2度断裂のマイク・ソロカ投手の復帰が待たれるが、左腕マックス・フリードを軸に若手26歳右腕カイル・ライトが11先発で防御率2.39、6勝3敗(QS率72.7%)と先発陣を支えている。
また、昨年デビューしたルーキーカテゴリーのスペンサー・ストライダー投手がブルペンから先発に転向して14試合3先発で2勝2敗ホールド2、防御率2.35と好投している。
先発陣が防御率でMLB21位に対しブルペン陣は同5位と健闘。今季新加入の実績あるクローザー、ケンリー・ジャンセン投手が26登板で17セーブをマークしている。
息を吹き返したフィリーズ
スーパースター、ブライス・ハーパー外野手を打線の中核に今季補強したニック・カステヤノス外野手やカイル・シュワーバー外野手など破壊力のある長距離砲が売りのフィリーズ。
チーム本塁打数ではMLB3位と額面通りのスタッツをたたき出しているが、開幕から4月は10勝11敗、5月は11勝17敗と大きく負け越して、ついにベテランのジョー・ジラルディ監督が解任されてしまった。
しかしながら、それが良かったのか、解任劇以降は7戦全勝の8連勝で、5割ラインに復帰した。
それでも、首位メッツとは9ゲーム差で、ワイルドカード枠でも1枠増えたとはいえ2.5ゲーム差で圏内にも届いていない苦しい状況は続いている。
2011年以来、ポストシーズンからは遠ざかっているチームだが、昨年は2位に入った。
そして今季は期待されていただけに2018年オフから本格的にテコ入れした戦力が真価を発揮するのか注目したい。
いくらスター野手を並べても野球は投手力だから、この調子で5割ラインを超えてくると、この夏はブルペンやスターターのトレード補強があるかもしれない。