MLB メジャーリーグ物語

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MLBとMLBPAの交渉再開 MLBが出した新提案とは?

メジャーリーグ機構(MLB)と選手会(MLBPA)の労使交渉が再開した。ここでは要点を整理して紹介したい。

 

MLBとMLBPAのCBA情報

 

MLBとMLBPAの包括的労使協定(CBA=コレクティブ・バーゲニング・アグリーメント)を巡る交渉が現地時間1月13日(日本時間14日)、ZOOMによるオンライン形式で再開した。

 

MLB公式サイトでは関係者からの情報として下記の数点をMLBPAに新規提案したという。

 

①「若手選手の給与アップ」

 

②「プロスペクトのサービスタイム操作対策」

 

③「タンキング抑制のためのドラフト指名順の変更」

 

④「ポストシーズン出場枠の拡大」

 

⑤「ユニバーサルDH(両リーグでの指名打者制)の導入」

 

 

交渉内容は多岐にわたるが、その中で④や⑤は、どちらかというと枝葉の部分で、根幹的な内容である「お金の問題」に関しては、「メジャー最低保証年俸の引き上げ」、「ぜいたく税の課税ラインの引き上げ」、「クオリファイング・オファー制度の廃止」など、以前は盛り込まれていたが、今回のMLBが提示した案では盛り込まれなかったようだ。

 

 

ぜいたく税の課税ラインについては、MLB側がそのしきい値を2億1400万ドルからスタートして最終的に2億2000万ドルまで引き上げるとしていたのに対し、選手会は2億4500万ドルを主張している。ちなみに2021年は2億1000万ドルだった。

 

 

その他の対立点としては、ポストシーズン出場枠についてなどだが、MLB側は14球団に増やしたい意向だったが、MLBPAはレギュラーシーズンを勝ち抜いていく重みが無くなるとして現行の12球団を希望している。

 

 

次回は、MLBの提案に対してMLBPAが対案を提出するものとみられ、複数回の交渉を重ねて最終的には2月中旬から始まるスプリングトレーニングまでにお互いが妥協して新CBAが締結されることになるだろう。

 

 

⑤のユニバーサルDHになれば、ナ・リーグの投手には、打席での故障の心配はなくなるが、打者が1人増えることにより、ア・リーグの投手のように成績の悪化につながる。

 

 

個人的には統一したほうが良いような気もするが、果たしてどうなるのか?打者も守備の不安が無くなってベテラン選手などには就職先が増えて妥協できそうな気がする。

 

 

④のポストシーズンの出場枠の増加に関しては妥協できる部分のような気もする。ただし、③は「完全ウエーバー制」の見直しにつながり、戦力均衡という観点から、もう少し議論をする必要があるだろう。

 

 

個人的な意見だが、他のNFLのようにサラリーキャップ制を導入したほうが良いような気もするが、「ぜいたく税の」上限を下げる案は無くなりそうなので、MLBPAも妥協できる余地はあるように感じた。

 

 

①の若手の年俸アップは実現しそうな気がする。ここで(オーナー側が)渋るようでは交渉はまとまらない。金額だけの問題だからだ。ただし、対象となる人数が多いので、大幅アップは望めないだろうが、多少はアップするだろう。