広島東洋カープからポスティング制度を利用してメジャーリーグに挑戦する鈴木誠也の動向は気になるところだが、その前に現時点で残っているFA外野手の状況を紹介したい。鈴木の移籍先を考えるうえでも彼らの動向は注目だろう。
MLB移籍情報
リストではFA市場に残っている外野手をピックアップしたが、外野の一角は、内野手と兼任するユーティリティが守る場合が多く、クリス・ブライアントがその例だ。そうしたユーティリティ選手は別のカテゴリーくくっている場合もあるが、今回はあえてリストアップした。
ファングラフスのfWARの高い順に並べている。QOはクオリファイングオファーの略。CFは中堅手。
中堅手は外野手の中でもスキルが要求されるポジションなので、特別に表記している。中堅を守れるということは左翼でも右翼でも守っている場合が多い。無印の選手は主に左翼手と右翼手(LF/RF)のコーナー・アウトフィルダーと理解していただきたい。
現時点でFA市場に残っている外野手
ニック・カステヤーノス(QO拒否)
クリス・ブライアント(OF/3B)
カイル・シュワーバー
トミー・ファム
ブレッド・ガードナー
アンドリュー・マカッチェン
オデュベル・ヘレーラ(CF)
エディ・ロザリオ
マイケル・コンフォート(QO拒否)
コーリー・ディッカーソン
ケビン・ピラー(CF)
ジョク・ピーダーソン
ジャロッド・ダイソン(CF)
好打者カステヤーノスも残っているFA市場
カステヤーノスは過小評価されている選手のような気がする。メジャーキャリア9年で出場した1031試合のうち半数以上にあたる527試合に三塁手として出場しているので、外野手としてのイメージが薄いのが原因かもしれない。
しかし、移籍したカブスやレッズでは、ほぼ外野手として定着し、2021年シーズンでは自身初の外野手として「オールMLBチーム」(セカンドチーム)に選出された。また、外野手部門でのシルバースラッガー賞にも初めて選ばれた。
これまで2020年1月にレッズと4年総額6400万ドルで契約。長打力よりはアベレージを残すタイプの選手だったが、昨年はキャリアワーストの打率.225、OPS.784と低迷。
今季は打率.309、本塁打もキャリアハイの34本塁打でOPS.939と復活したシーズンだった。
今オフにプレーヤー・オプションを選択してFAになり、レッズからのQOも拒否。現時点で、鈴木誠也の最大のライバルかもしれない。
ただし、QOを拒否しているので、カステヤーノスを獲得した球団はドラフト権の譲渡などがあり、その点は彼にとっては不利だろう。
鈴木誠也のFA市場でのライバルになりそうな外野手たちを紹介しているが、長くなるのでカステヤーノス以外の外野手はPART2以降で紹介したい。