広島東洋カープからポスティング制度を利用してメジャーリーグに挑戦する鈴木誠也の動向は気になるところだが、その前に現時点で残っているFA外野手の状況を紹介したい。鈴木の移籍先を考えるうえでも彼らの動向は注目だろう。
MLB移籍情報
リストではFA市場に残っている外野手をピックアップしたが、故障者が多い場合など、外野の一角は、内野手と兼任するユーティリティが守ることが多い、クリス・ブライアントがその例だが、そうしたユーティリティ選手も今回は外野手としてリストアップした。
ファングラフスのfWARの高い順に並べている。QOはクオリファイングオファーの略。CFは中堅手。
中堅手は外野手の中でもスキルが要求されるポジションなので、特別に(CF)と表記している。中堅を守れるということは左翼でも右翼でも守っている場合が多い。無印の選手は主に左翼手と右翼手(LF/RF)のコーナー・アウトフィルダーと理解していただきたい。
現時点でFA市場に残っている外野手
ニック・カステヤノス(QO拒否)
クリス・ブライアント(OF/3B)
カイル・シュワーバー
トミー・ファム
ブレッド・ガードナー
アンドリュー・マカッチェン
オデュベル・ヘレーラ(CF)
エディ・ロザリオ
マイケル・コンフォート(QO拒否)
コーリー・ディッカーソン
ケビン・ピラー(CF)
ジョク・ピーダーソン
ジャロッド・ダイソン(CF)
残っているFA外野手の中で最も評価の高いのはニック・カステヤノスであることは間違いないのだが、彼のことは前回紹介した。
その他の選手としてはクリス・ブライアントになるが、ブライアントの場合は三塁手として起用したい球団に落ち着きそうな気がする。キャリアの中でも三塁手としての出場が圧倒的多く、次に左翼が多い。
シュワーバー、コンフォートは?
▼カイル・シュワーバー
カイル・シュワーバーは2020年オフにカブスからノンテンダーFAになってナショナルズと単年700万ドルで契約。ブライアントもシュワーバーもその後の活躍からしてカブスに余裕があれば残しておいた方がよい選手だった。
シュワーバーの今季は、ナショナルズとレッドソックスで計32本塁打、OPS.928。左打ちの強打の外野手が欲しい球団にフィットするだろう。ヤンキースの左翼も空いているので、ライト側が狭いヤンキースタジアムは左打者なので彼にフィットするかもしれない。
▼トミー・ファム
トミー・ファムはパドレス移籍の2年間でOPS.624(2020年)、.724(2021年)と数字を落としているのが残念だが、カージナルス時代の2017年はOPS.931、レイズ時代の2019年も21本塁打、OPS.818とレギュラーの外野手として活躍した。
来季は34歳のシーズンになるので安価な値段で若手が成長するまでのつなぎ役として欲しがる球団はあるかもしれない。
ブレッド・ガードナーは38歳で引退の可能性もある。アンドリュー・マカッチェンも35歳で第4の外野手としてベテランを加えたい球団向きだ。
▼マイケル・コンフォート
マイケル・コンフォートも残っているが、今季のスタッツやクオリファイング・オファー(QO)を拒否していることを考えると、鈴木誠也やカステヤノスらが決まった後の「プランB」の選手だろう。
彼の場合は、まだ28歳なのでQOを受託して成績を立て直してからFA市場で長期契約を狙っていった方が得策だった気がする。