オーナーサイドによる4回目のロックアウト(ストライキを含めると9回目)に突入したメジャーリーグだが、ロックアウト・デッドライン前のラスト3日間に成立した契約状況を球団別にまとめてみた。(膨大な数になっているのでマイナー契約は記載せず、メジャー契約だけにした)
最終回はナショナルズ・リーグ(NL)西部地区。
MLB移籍/契約情報
ロックアウト直前の数日間で、タイガースがハビアー・バイエズと長期契約を結んだり、レンジャーズがコーリー・シーガー、マーカス・セミエンと大型契約するなど大物選手たちの駆け込み契約が目立ったが、この地区はドジャースが静かだった。
ロックアウト直前(11/29・30,12/1)に決まった契約
球団別に、ここまでの補強を評価しているCBSスポーツの記事を参考に補強評価も付け足した。ちなみに、ヤンキースは最低評価のFだった。
NL West
▼ジャイアンツ
アレックス・カッブ 2年契約に合意
オースティン・スレイター 年俸調停を回避し1年契約
ジョン・ブレッビア 年俸調停を回避し1年契約
ハーリン・ガルシア 年俸調停を回避し1年契約
マイナー契約1件
※CBSスポーツの評価:B
▼ドジャース
クリス・テイラー 4年契約に合意
ダニエル・ハドソン 1年契約
※CBSスポーツの評価:D
▼パドレス
ルイス・ガルシア 2年契約に合意
ニック・マルティネス 4年契約に合意
ロベルト・スアレス 1年契約
エミリオ・パガン 年俸調停を回避し1年契約
ティム・ヒル 年俸調停を回避し1年契約
オースティン・アダムス 年俸調停を回避し1年契約
ホルヘ・アルファーロ マーリンズとトレード
※CBSスポーツの評価:B
▼ダイヤモンドバックス
マーク・マランソン 2年契約(2022-23)
3名の選手と年俸調停を回避して1年契約
1名とマイナー契約
※CBSスポーツの評価:C
▼ロッキーズ
2名の選手と年俸調停を回避して1年契約
※CBSスポーツの評価:D
NL西部地区の主な補強
ジャイアンツはブランドン・ベルトがクオリファイング・オファーを受託して残留。
FAでケビン・ゴーズマン、アンソニー・デスクラファーニ、アレックス・ウッド、ジョニー・クエトの4人が抜けた先発ローテは、アンソニー・デスクラファニー(3年3600万ドル)、アレックス・ウッド(2年2500万ドル)と再契約。ロックアウト直前にはアレックス・カッブと2年契約で合意した。
ただ、若手の投手たちのメンター役だった正捕手バスター・ポージーが引退。その穴は大きい。MLB年間最優秀エグゼクティブを受賞したファーハン・ザイディ編成本部長はロックアウト解除後に動くかもしれない。
ドジャースはロックアウト直前にクリス・テイラーの引き留め工作に成功したが、主力のコーリー・シーガー、マックス・シャーザーは流出、クレイトン・カーショーやケンリー・ジャンセンの再契約は宙に浮いたままだ。
投手力は、救援投手のダニエル・ハドソン、先発左腕のアンドリュー・ヒーニーと契約している。
パドレスのA.J.プレラーGMは、細かく動いた印象だ。先発投手ニック・マルティネスとブルペンにはロベルト・スアレスとルイス・ガルシアを追加。マーリンズとのトレードで控え捕手のホルヘ・アルファーロを獲得した。
パドレスにとっては、そうした補強よりもボブ・メルビン監督の引き抜き工作に成功したことが一番のトピックスかもしれない。
ダイヤモンドバックスはクローザーとしてマーク・マランソンと2年総額1400万ドルで契約。この契約は2024年が球団オプションでバイアウト200万ドル。また、レイズとのトレードでジョーダン・ルプロウ外野手を追加している。
ロッキーズは、エリアス・ディアス捕手、C.J.クロン一塁手、アントニオ・センザテーラ投手との契約を延長している。
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