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【MLB契約情報】20歳のワンダー・フランコがレイズと大型契約

レイズがトッププロスペクトで今季70試合に出場した話題の新人ワンダー・フランコと長期契約したことを正式発表した。

 

 

MLB移籍情報

 

レイズがワンダー・フランコと大型契約

 

契約内容は以前に紹介したものと同じで、11年総額1億8200万ドル(約209億円)で、12年目は2500万ドルの球団オプションが含まれており、インセンティブなど含めると最大12年間2億2300万ドル(約256億円)となる。

 

驚いたのは、MLS(サービスタイム)1年未満の選手としてはメジャー史上最高額の大型契約で、それがスモールマーケットゆえの低年俸で知られるタンパベイ・レイズが成約したということだろう。

 

しかし、考えてみれば選手の年俸は高騰しており、今回の場合でも最高で年2500万ドルだから年平均で3000万ドルの選手も出ていることを考えれば長期的に見て割安という考え方もあるだろう。

 

 

フランコの契約内容は?

 

下記はフランコが受け取る年度別の年俸だ。

 

2022年:100万ドル

2023年:200万ドル

2024年:200万ドル

2025年:800万ドル

2026年:1500万ドル

2027年:2200万ドル

2028年:2500万ドル

2029年:2500万ドル

2030年:2500万ドル

2031年:2500万ドル

2032年:2500万ドル

2033年:2500万ドル ※球団オプション、バイアウト200万ドル

 

 

20歳の選手だから11年~12年という契約期間の長さは問題にならないが、スモール・バジェット(低予算)のレイズが契約したことが驚きだ。

 

ただ、今回の契約には「トレード拒否権」は含まれておらず、レイズが、自由に保有権をコントロールでき、トレードされた場合、フランコは300万ドルのボーナスを得る。

 

 

 

フランコの潜在能力を証明した1年

 

ワンダー・フランコドミニカ共和国出身の20歳。201年の海外アマチュア選手のFAランキングでは大谷翔平に次ぐ評価だった。2018年のプロスペクトランキングでもシーズン中にMLB1位に上昇している。

 

今季6月にメジャーデビュー。遊撃を中心に二塁、三塁手として70試合に出場して288打数81安打で打率.281、四球24で出塁率.347、本塁打7、二塁打18、三塁打5の長打率.463。

 

OPS.810、rWAR3.5と評価も高く新人王投票では3位に入っている。

 

三振率12.0%とシェアなバッティングセンスとスイッチヒッターという打線の中での使いやすさも魅力。今季のポストシーズンでも2本塁打を放つなど二遊間を守れてOPS.800を超えるパンチ力もある。

 

彼は、シーズン最後の30試合で打率.355、出塁率.409、長打率.545をマークし、トップリーグでの適応能力を示した。

 

長期契約は、ケガなどのリスクを考えた場合にあまり得策では無いような気もするが、フランコは20歳と若い。そのリスクは低いと予想したのだろう。

 

今後の市場全体の年俸相場の上昇を考えた場合、フランコの年平均1600万ドルから1700万ドルは、安いと捉える考え方もある。

 

 

「トレード拒否権なし」は両者にメリット

 

今回の契約には「トレード拒否権」が設定されておらず、フランコが大活躍した場合に、新たなトレードの弾としてレイズが自由に使うことができるというメリットもある。

 

フランコ側にしても「トレード拒否権がない」ということは、その分、緊張感やコンプライアンス、コンディション管理などに対する自覚が生まれ、プラスに働くかもしれない。