MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

レイズが筒香嘉智をDFA 選択肢は4パターンだが現実は!?

残念ながらレイズ所属の筒香嘉智がメジャー40人枠から登録を外された。昨年の成績や今季のそれからしても残された時間は少ない気がしたが、筒香には厳しい現実が待っていた。

 

 

2年目もチャンスはあったが...

今季はここまで26試合に出場して打率.167、0本塁打、5打点、OPS.462と大不振。数字がものを言うプロスポーツの世界だから当たり前といえば当たり前だが、本来のパフォーマンスが発揮できなかっただけにファンとしても残念だ。

 

 

ふつでも競争の激しいメジャーリーグだが、筒香は新型コロナのパンデミックの影響で渡米1年目の開幕が遅れ、準備期間も短く、公式戦も60試合に限られ、初年度は51試合で打率.197、8本塁打、24打点、OPS.708に終わった。

 

 

ただ、ビッグリーグに挑戦する姿勢は素晴らしい。ビジネスライクに捉えて何も挑戦しない選手よりは応援したい。

 

 

レイズのケビン・キャッシュ監督は「彼がどんなに一生懸命努力してきたか、毎日しっかり準備してきたか、前向きな姿勢を保ってきたか、ということを考えると、彼を責めることはできない」と筒香のことを近くで見てきてその姿勢を評価している。

 

 

考えてみれば一番悪い時期に移籍を選んだのかもしれない。

 

 

それでもチャンスはあった、今季は正一塁手崔志萬(チェ・ジマン)の故障により一塁のポジションを与えられていた。本人が一番悔しいだろうからこれ以上は言及しないでおこう。

 

 

 

DFAは単なる「戦力外」ではない

ご存じのようにDFA(Designated For Assignment)とは、よく訳されるような単なる「戦力外」ではない。

 

 

個人の権利が強いアメリカの場合は、選手会(MLBPA)が強いことでルールが複雑だ。背景にはアメリカ社会の訴訟文化といったことがあるのかもしれない。

 

 

MLBの場合、公式戦に出場するためには原則、25人枠(アクティブ・ロースター)に入らなければならない。そして、その25人枠に入ることのできる選手は、40人枠に入っていることが最低条件となる。

 

 

この40人がいわゆる「メジャーリーガー」という扱いを受ける。筒香は、その枠から外されたということだ。

 

 

原則的には25人枠から自由に出し入れするマイナーオプションは1人の選手に対して3シーズンしか行使できず、特にメジャー在籍期間5年以上の選手は、一度25人枠に入ってしまうと40人枠に入ったままマイナーに降格させることが禁止されている。

 

 

多くのベテラン選手は簡単に25人枠から外すことができないので、その資格のない選手がDFAを受けやすい。

 

 

DFAされた選手の4つの選択肢と筒香の場合は?

一時的な措置で最大10日間。球団は選手をDFAした後、次のいずれかの動きをとることになる。DFAされた選手の選択肢は4つ。

 

 

① 他チームへのトレード 

② ウェーバー公示 (7日間のうちに公示、選手の支配権を放棄)

③ チームからの解雇 (「解雇」は選手側から要求する場合もある)

④ マイナー行き 

 

 

解雇をあえて選択して自由に移籍先を探す選手もいるが、ほとんどが、マイナー組織に行くことを選択する。若くて時間があれば野球を続ける環境をキープして、次のチャンスを待つために。

 

 

筒香には若手のように時間がないので自由契約を自ら選択して、次の選択先を探す場合も考えられる。

 

 

ただ、海外組で実績のある選手は、母国のリーグに帰って出直すパターンも多い。特に日本人選手の場合は、NPBプロ野球)が待遇面や環境で南米やほかのアジア諸国と比べて良いので、帰国を選ぶ選択肢はあるだろう。

 

 

日本の球団からオファーがあればの話だが、筒香の場合はMLBでの数字を考えると「ウエーバー公示」から他チームが獲得を申し入れる(クレームする)球団があるとは考えにくく、マイナー行きを選ぶか日本(NPB)に戻ることが考えられる。