第3弾は地区8連覇中のドジャース その②
2012年に元NBA選手マジック・ジョンソン氏らの投資グループが新オーナーになってから躍進が始まった。
その年から2020年にかけては2010年、12年、14年にジャイアンツがワールドシリーズを制したが、ライバルチームの躍進を横目で見ながら本気になって再建を始めたドジャースが「ドジャース時代」ともいうべき王朝を築いた。
最新のパワーランキングでも1位
地区8連覇、昨シーズンは60試合の短縮シーズンだったが、1988年以来のワールドシリーズを制し、世界一に輝いた。最新のパワーランキングでも30球団中1位だ。
その躍進の原因はアンドリュー・フリーマンをフロントに迎え入れたことだろう。
そのことに関しての事情はロサンゼルス在住のエンゼルスファンによる応援サイト「ロサンゼルス・エンゼルス大全(2021年版)」を運営しているLAA Watcherさんが日本のどのメディアよりも詳しいので、興味ある方は参考にしていただきたい。
フリードマン氏が事実上のGMに相当する「ベースボール部門の上級副社長」に迎え入れたのが大きかったようだ。破格ともいえる5年総額3500万ドル(約35億円)のオファーを出したという。
ドジャースのホームであるロサンゼルスは、日本人にも人気があるが、全米屈指のビッグマーケットで選手からの人気も高い。温暖な気候にホームの魅力、資金力、そこに球界屈指の洞察力のあるウォール街出身のエリート金融マンが加わった。
チームを強くするカギを握るのはGMだ。どこの市場でもそうだが、目利きの良い仲買人はいるものだ。
最新のロースター
話は長くなったが、フロントにアンドリュー・フリーマン氏を迎え入れて、その指揮のもと着実に戦力を整えたドジャースの今季のロースターを見ていこう。残念だが、日本人選手はいない。
ドジャースはオフシーズンに、キケ・ヘルナンデス、ジョク・ピーダーソン、アレックス・ウッド、ジェイク・マギー、ペドロ・バエズをフリーエージェント(FA)で失った。
一方、ドジャースはジャスティン・ターナー三塁手と再契約し、トレードで若手26歳の内野手シェルドン・ノイジーと左腕アレックス・ベシアを獲得。最後に2020年ナショナルリーグの「サイヤング賞」を受賞したトレバー・バウアーと契約した。
先発ラインナップ
1(右)ムーキー・ベッツ
2(一)マックス・マンシー
4(中)コディ・ベリンジャー
5(左)A.J.ポロック
6(遊)コリー・シーガー
7(捕)ウィル・スミス
8(二)クリス・テイラー
内野陣は同じ顔触れだが、捕手はウィル・スミス、オースティン・バーンズの2人体制。3人目はマイナーからキーバート・ルイーズが候補。
一塁手はマックス・マンシー。控えが3年目のマット・ビーティー。二人とも左打ち。二塁手はクリス・テイラーとギャビン・ラックス。
三塁手はエドウィン・リオスになる可能性もあったが、ジャスティン・ターナーとドジャースが2年間の契約に合意したことで、2021年にターナーが再びポジションを獲得することになる。遊撃手はコーリー・シーガー。彼は今季終了後にフリーエージェントになるので契約延長があるかもしれない。
外野手は左からA.J.ポロック、コディ・ベリンジャー、ムーキー・ベッツの3人。
若手25歳のザック・マッキンストリーがキケ・ヘルナンデスの穴を埋めるユーティリティ候補。3年目のマット・ビーティーが入ることも考えられる。クリス・テイラーも内外野を守れる選手だ。