MLB メジャーリーグ物語

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【MLB契約情報】注目のトレバー・バウアーがドジャースと3年総額1億200万ドルで合意

ドジャースがメッツとの争奪戦に勝利

 

ドジャースがメッツとの争奪戦に勝利した。球界の異端児、トレバー・バウアーがドジャースとの契約に合意した。

 

MLB公式サイトでは2月5日(日本時間6日)、「Trevor Bauer joins Dodgers on record deal」という見出しでこのニュースを伝えている。

 

UCLA時代は同学年のゲリット・コールと二枚看板だったバウアーが地元の名門球団を選んだということだろうか?

 

メッツより優勝リングを狙えるドジャースを選んだのかもしれない。

 

 

 

3年総額1億200万ドルだがAAVは年3400万ドル

 

ESPNのジェフ・パッサンは、バウアーとドジャースとの契約は3年総額1億200万ドルであること。MLB公式サイトのマーク・フェインサンドは、契約内容を1年目が4000万ドル、2年目が4500万ドルであること、それぞれのシーズン終了後にオプトアウト(契約破棄)の権利が付いている内容になっていることを伝えている。

 

 

さらに、マーク・フェインサンドは、ゲリット・コールがヤンキースから受け取った年3600万ドルを超える1年目が4000万ドルの契約であるにもかかわらず、バウアーの1年の平均値であるAAV(ボーナスも含め契約総額を契約年数で割った値)が3400万ドルであることにも言及。

 

これはドジャースのペイロールが、多額の契約金やインセンティブ出来高払い)による贅沢税のしきい値を超えることを防ぐために、その算定基準になるAAVを抑えたものだと考えられる。

 

 

歴代最高額を更新する契約

 

トレバー・バウアーが狙って(要求して)いたのは球界最高の年間最高サラリー。そのために粘っていた。同級生で、何度も比較されてきたゲリット・コールを抜きたい、というライバル心があったのかもしれない。

 

21年の年俸4000万ドルは現時点の歴代最高額。オプトアウトの権利を行使せず残留した場合、22年の年俸は4500万ドルで再び歴代最高額を更新する(予定)の記録的な契約金だ。

 

 

野球を科学する探究心旺盛なバウアー

 

バウアーはインディアンス時代の19年7月28日(同29日)のロイヤルズ戦、4回途中8失点で降板を告げられると、自身の投球に怒りを爆発させたのか持っていたボールをバックスクリーンへ大遠投し、物議を醸した。

 

バウアーがちょっと自分を抑えられない性格出ることは認めるが、これには導線があって、その前のプレイをよく見てみると確かにバウアーの投球とは別に不運なプレイが連続していた。バウアーがイライラするのもわかる気がした。

 

ただ、フラストレーションがたまったバウアーの行動は、指揮官フランコーナ監督への抗議とも受け取られ、2日後の7月30日には三角トレードの一員としてレッズに放出された。

 

この前年、16年には、インディアンスがリーグ優勝決定シリーズ期間中に趣味のドローンで指先をケガして登板にも影響した。このシリーズは4勝1敗でインディアンスが19年ぶりのリーグ優勝を決めてバウアーの行為は処分の対象にはならなかったが、普通では考えられない“クセ”が強い選手であることも確かなようだ。

 

ただ、野球を科学する“オタク”的な探究心もバウアーにはあって、オフには米シアトル郊外に施設のある「ドライブライン・ベースボール」に通っていることもたびたび紹介されている。

 

この施設は、新しい理論で多くのコーチングスタッフをメジャーリーグ球団にも輩出していることでも有名で、バウアーは最先端の理論やプログラムを学びながら投球スキルをアップグレードしている。

 

レンジャーズ時代のダルビッシュ有の投球を分析したバウアーの動画を見たことがあるが、鋭い観察力は、さすがの野球オタクだった。