パドレスが田中将大の獲得も検討
MLBは2020年に全体で約31億ドル(約3224億円)を失い、平均すると各球団は1億ドル(約104億円)以上の減収になった影響でスローテンポなストーブリーグだが、最も高価な値段の付く先発投手のFA状況を確認したい。
1000万ドル以上の契約は4人だけ
FA市場には20年サイ・ヤング賞のトレバー・バウアーやヤンキースからFAの田中将大。リック・ポーセロ、ジェームズ・パクストン。ベテランでは、ジョン・レスター、J.A.ハップ、タイラー・アンダーソンなどの左腕投手とアダム・ウェインライトらが残っている。
今オフのFA選手で年俸1000万ドル(約10億円)以上の契約を手にしたのはチャーリー・モートン投手(アトランタ・ブレーブスと1年1500万ドル)、ドリュー・スマイリー投手(ブレーブスと1年1100万ドル)、ジェームズ・マキャン捕手(ニューヨーク・メッツと4年総額4060万ドル)、リアム・ヘンドリックス投手(ホワイトソックスと4年5400万ドル)の4選手だけだ。
クルーバーがショーケース
コリー・クルーバーが現地13日(日本時間14日)、フロリダ州でメジャーリーグ球団向けのショーケース(公開練習)を開催。
ESPNのジェフパッサンは、クルーバーが時速88〜90マイルの速球で約30球を投げるのを見た後、「スカウトは感心して帰っていった」と付け加えている。
これには25球団の関係者が視察したということをMLB公式サイトも伝えている。彼の実績で、この時期に90マイルを投げていることなどから考えても複数の球団から(マイナー契約も含めて)何らかのオファーがありそうな気がする。
パドレスが田中将大にも興味
今オフ、トレードでレイズからブレイク・スネル、カブスからダルビッシュ有を先発ローテーションに追加してリーグトップクラスの先発陣を形成しつつあるパドレスが、ヤンキースからFAの田中将大の獲得も視野に入れているとの報道があった。
「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタールによると、パドレスは水面下で田中将大の調査を続けているということだ。
これは、まんざら飛ばし記事でもなさそうでパドレスの投手コーチが田中と馴染みのあるラリー・ロスチャイルド投手コーチで、ダルビッシュが移籍してチームメイトになるというのが、その根拠らしい。
投手コーチの件はFA移籍に重要な根拠かもしれないが、ダルビッシュの件は、あまり参考にならない。
それよりもパドレスには17年からスタッフとして加わった中垣征一郎・応用運動科学ディレクターら日本人スタッフの存在の方が大きい気がする。
中垣征一郎氏の存在は、プレラーGMが「自分が誇れる補強の1つ」と胸を張るぐらいの存在で、筑波大学、ユタ大学大学院などを経て、2004年に日本ハムのチーフトレーナーに就任した。
中垣氏は、18年シーズン終了まで2年間、傘下のチームを巡回しトレーニング指導に当たった。プレラーGMがレンジャーズの国際担当スカウトだった頃からその能力にほれ込んで誘っていたらしい。
ほかには、元メジャーリーガーの斎藤隆氏も16年からパドレスの球団スタッフに転身して主に編成部門業務に就いていた。
田中がパドレスと契約するとすれば、こうした日本人スタッフの実力を評価した球団の姿勢は見逃せないだろう。
こういう報道に飛ばし記事でもエンゼルスの名前が出てこないのが残念だ。
▼契約が決まったFA先発投手
氏名(年齢)契約先 契約内容他
マーカス・ストローマン(30)メッツに残留 1年1890万ドル
ケビン・ゴーズマン(29)ジャイアンツに残留 1年1890万ドル
ドリュー・スマイリー(32)ブレーブス 1年1100万ドル
ロビー・レイ(29)ブルージェイズ 1年800万ドル
クリス・フレクセン(26)マリナーズ 2年475万ドル
マイク・マイナー(33)ロイヤルズ 2年1800万ドル
マイケル・ワカ(29)レイズ 1年300万ドル
ホゼ・ウレーニャ(29) 1年325万ドル
アンソニー・デスクラファニー(31) 1年600万ドル
クリス・フレクセンは26歳右腕。20年はKBO斗山ベアーズで21試合に先発出場し8勝4敗、防御率3.01、FIP2.74だった。メジャーではメッツで27試合(先発11試合)で3勝11敗。
ストローマンとゴーズマンはクオリファイングオファーを受託した。結果的には正解だったかもしれない。
▽Information source
http://www.mlb.jp/category/news/#38766