MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

カージナルスのモリーナが2000本安打到達、捕手でメジャー12人目

 

カージナルスの名捕手モリーナが2000本安打到達

 

ベースボールタウン・セントルイスの中心選手として2度のワールドシリーズ制覇に貢献してきたヤディアー・モリーが捕手としてメジャーリーグ史上12人目の「2000本」安打に到達している。

 

シーズン前に38歳の誕生日を迎え、「2000本」には、あと37本に迫っていたが、9月24日(日本時間25日)のブルワーズ戦で2安打を記録してマイルストーンに到達した。

 

 

メジャー16年目の昨季は113試合に出場し、打率.270、113安打、10本塁打、57打点をマーク。前年に20本塁打をマークしていたことに比べると打撃力における衰えはあるものの、捕手としてのDRS(守備防御点:各ポジションの平均と比較し、どれだけ失点を防いだかを示す指標)は+2。失策はわずか1で、盗塁阻止は8回記録した。

 

MLB公式サイトによるとモリーナは、シーズン前に会見を開き、今季終了後にチームから契約延長の要望があればプレーを続け、それがない場合は「それで終わり」だと現役を引退する考えであることを明かした。そして、現時点では「膝の具合も良く、体調も良い」と話し、シーズン開幕へ向けてコンディションの不安はないことを強調していた。

 

モリーナが、04年から20年までカージナルス一筋のフランチャイズプレイヤーとして残してきた功績はあまりにも大きい。

 

 

オールスターゲームには9度選出(09年~15年、17年~18年)。地味だが今季の開幕戦で捕手の球団記録となる16年連続先発出場。通算2000試合出場は球団歴代3位。そして、チームにとっても06年と011年の2度にわたってワールドシリーズ制覇に貢献している。

 

モリーナといえば“ロケットランチャー”のような二塁への強肩が有名だが、その人柄を表すうえで忘れられないシーンがある。

 

現地時間2016年7月15日、3000本安打に迫っていたイチロー(当時マイアミ・マーリンズ)が代打で打席に立った時、モリーナはわざと立ち上がり、プレートの前の土を払うようなしぐさを見せ、スタンドからのスタンディングオベーションが続くように、ホームプレートを外して、十分な喝采を送るだけの間をつくった。

 

こんな粋な計らいしてくれた選手なのだ。

 

前年には同じセントルイスイチローが日米通算4193安打を記録して、メジャー歴代2位のタイ・カッブ(通算4191安打)を抜いていた。

 

付け加えるとモリーナは2018年にロベルト・クレメンテ賞も受賞している。ご存じの方も多いが、この賞は球場外で社会貢献活動に尽力した選手に贈られる賞だ。